わがまま
文章がかけない。しばらく勉強しようかな。
「駄目です」
テンションが上がって伯母様とサリーと共にお母様の元へ直行しました。そしたら案の定却下されました。しかしこちらには伯母様がいるわけですし、何とかしてくれるのではないでしょうか。と期待して伯母様の様子を伺うと。
「いいじゃないか。ちゃんと入学までには戻ってくるからよ。数年だろ?数年。ちょっとリリアナかしてくれよ」
「駄目なものは駄目です。リリちゃんに危険なことはさせません」
これ無理なやつだ。そう直感しました。お母様は聞く耳を持たないって感じですし伯母様も特に策があるように見えません。あ、お母様、せめて刺繍とかしないで伯母様の話し聞きましょうよ。ここで口を挟んだところでどうなるというわけでもありませんし私とサリーは無言です。
「今回の件で分かっただろ?きちんと身を守るすべがないと危険だってことをさ」
「今回は特別です。もし仮にまた起こったとしても今度は私が全力で守りますわ」
「常にお前がそばにいられるわけじゃないだろ!学園に入れば1人になる機会は多くなる。そのときに狙われたらどうするんだ」
「それは...とにかくリリちゃんは私のそばを離れることは許しません」
みたいな会話の繰り返し。終わりが見えない気がする。ちなみにお父様は今回の誘拐事件とお仕事の関係で今いません。お兄様は学園にいます。王子誘拐事件なんて大事にしたくないでしょうし私が一緒に誘拐されたこと知らないのではないでしょうか。伯母様に正論を言い続けられ限界が来たお母様がこちらにずかずかと歩いてきて私をぎゅっと抱きしめました。
「とにかくリリアナは渡しません!今日は帰ってください」
「リリアナは守られることを望んではいないみたいだぞ?」
お母様が私を抱きしめる力がより強くなります。そしてゆっくりと口を開きます。
「リリアナよく聞いて。あなたが強くなりたいといったのは姉様に聞いたわ。でもね。リリアナを守りたいというお母様のわがままを聞いてくれないかしら」
後半はお母様の声は涙ぐみ私はどうしても伯母様についていくという意思を伝えることが出来ませんでした。その代わり頷いておきます。それを見た伯母様は難しい顔をしています。この答えはおそらく不正解だったのでしょう。私のためにも、お母様のためにも。
「昔からお前のそういうところが嫌いだよ」
伯母様はそう捨て台詞を残しこの場を去りました。残された私、お母様、サリーの間に気まずい空気が流れます。お母様は私を抱きしめる手を放し私の正面にしゃがみこみます。
「リリちゃん。ごめんなさい」
「いいえ。お母様気にしておりませんわ。泣き止んでください。お母様の涙は嫌いです」
嘘です。すごく気にしてます。伯母様の去るときの顔が忘れられません。思い出すだけで鳥肌が立ちます。お母様よく対等にお話できてましたね。しかしこの様子から察するにここで派手な特訓は出来ないようですね。どうしましょう。
ここまで読んでくださりありがとうございます。