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とりあえず……よし!

コメントやブックマークなどありがとうございます。

「ん……ここは……?」


目を開けると知らない天井ではなく、自分の部屋の天井だった。身体中が痛い。右手に違和感を覚えそちらを見るとお母様が手を握っています。眠っているようですが目のくまはひどく、前より痩せた気がします。心配かけたんだなぁとしみじみ考えているとドアが開いてサリーが入ってきます。サリーの顔にはいくつものガーゼが貼ってあり痛々しいです。サリーは私が起きていることに気がつくとピタッと止まり目からポロポロと涙を流します。え?ちょ、どうしたんですか!


「おじょうさまぁもうしわけありません!」


号泣しながら謝ってくるサリーに動揺しているとお母様が起き上がります。そして私が起きていることに気がつくと。


「リリちゃん!痛いところはない?何か欲しいものはある?食欲は?さらった人の顔わかる?お母様が倒してくるわ!」


質問攻めです。こちらも号泣しながら。左からはサリーの謝罪。右からはお母様の質問攻め。この状況どうしよう。


結局2人の泣き声に気づいたお父様がくるまで耐えるしかありませんでした。

-----

「顔は見てないかい?」


お父様が厳しい顔つきで質問をしてきます。お仕事関係の顔ですね。しかし私のみた人たち顔出ていなかったからな、と言うことを素直に伝えます。


「どの人も口や方目など顔の大部分を隠していたためあまり覚えていないんです。ごめんなさい」


「いや、責めている訳じゃないさ」


フッと表情を緩め涙ぐみながら私を抱き締めてくれます。


「本当はこんなこと言ってはいけないんだがな。お前だけが生きて帰ってきてくれてもよかったんだ。サリーの話を聞くと狙いはレオナール様だったようだからな」


「お父様……」


それは本気でまずいやつですよね?それに見捨てて帰ってきたら私殺されると思うんですが。


「必死で姉上殿の知り合いの白魔法使いが治癒魔法をかけてくれたんだが……背中に少しだけ傷が残ってしまうらしい」


「その程度気にしません。伯母様たちには感謝してもしきれないくらいですし。それにこれはレオナール様をお守りできた名誉の傷です。そう言えばレオナール様はどうなりましたか?」


そう聞くと簡単には説明してくれる。やはり手錠のせいで魔力枯渇になっていたこと。適切な処理が伯母様たちによってなされたので後遺症もないということ。傷も打撲以外ないのですぐによくなると言うこと。そして。


「……非公式な婚約だったとはいえ婚約が解消されることとなった」


そうお父様は言いました。

ーーーーー

婚約が解消されると言ってからお父様はもう休みなさいと言って部屋を出ていきました。お母様もお父様との話の途中で限界が来てお母様のメイドさんに連れられて行ったので部屋にはサリーしかいません。


「ねぇ。サリー」


「はい。何でしょうお嬢様」


私はスキルの多さに自分が強いと思い込んでいた。だから今回はレオナール様を守ることが出来なかった。だから。


「私は、強くなりたい」


サリーをまっすぐ見て言います。サリーの目は私と同じように、いえ、それ以上に強い目でこちらを見返してきました。


「お嬢様。私は弱いです。今回もお守りすることが出来ずただお屋敷で旦那様たちの努力を見ることしか出来ませんでした」


小さな声でもうしわけありませんと漏らすサリーの目には涙が浮かんでいた。


「お屋敷を、いえ侍女を辞めようかとも思いました。しかし旦那様がお嬢様のためにもやめないでくれとおっしゃってくださったのです」


「そうだったのね……」


「だから私はお嬢様以上に強くなりお嬢様をお守りできるようになりたいと思っています。いや、なります」


そこでサリーは騎士のように方膝をつきこう言いました。


「私の命をリリアナ・ユーフィル様に捧げます。」


「ありがとう、ございます」


サリーの態度に驚ききちんとした返事は返せませんでしたがサリーが嬉しそうなのでよしとしましょう。


私は気がついていませんでした。乙女ゲームのリリアナとレオナールは婚約していたはず、つまりはこの世界はゲーム通りではないということに。


「」の最後に『。』っていらないんですかね?いると思ってました。

誤字訂正

「攻めている訳じゃないさ。」

「責めている訳じゃないさ。」

誤字の報告ありがとうございます!

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