sideレオナール
今回は別視点。少しだけリリアナ最強設定が生きてくる……かもしれない。
今日はリリアナ嬢と楽しく過ごせるはずだった。
リリアナ嬢があまり外に買い物にいかないと言うので思いきって一緒に出掛けないかと誘ってみたところ快く承諾してくれた。私は一応お忍びと言うことになっているしリリアナ嬢との……デートをなるべく少ない人数でしたかったと思うことからあまり護衛はつけないでほしいと頼んでみた。リリアナ嬢の父上は渋っていたが私の頼みと言うことと、あまり危険がないだろうと言うことで了承してくれた。それがいけなかったのかもしれない。帰り道明らかに俺をさらうことが目的の集団が馬車を襲撃してきたのだ。
俺はリリアナ嬢を守りたかった。そんな心とは反対に体は震えるばかり。リリアナ嬢の侍女、サリーと言ったか、が馬車のなかを覗きこんだ男を倒し外に出ていく。馬車の中から見えただけでもこちらの人数をはるかに越える敵の数だった。
サリーが外へ出てどれくらいがたっただろうか。もう一度扉が開き覗きこんだのは男の姿だった。その後私は殴られ意識を失った。意識を失う前に見たリリアナ嬢の顔が忘れられない。
目を開けるとひんやりとした空気が体を震えさせた。リリアナ嬢はもう起きていたらしくもぞもぞと動いて回りを観察していたらしい。私に気づいてこちらへ戻ってくる。そして不安そうな目でこちらを見てくるので大丈夫だと目でいっておいた。
しかし気絶したあとも殴られたようだ。身体中が痛い。そして手にはまる手錠。魔力が抜けていくのを感じ体に力が入らない。おそらく「魔力枯渇」になりかけているだろう。
リリアナ嬢は魔法を唱え見張りを気絶させることに成功していた。リリアナ嬢が魔法を使えることにも驚いたが彼女の体は震え顔は青ざめている。見張りを殺してしまったかもしれないからだろう。そんなリリアナ嬢を見て泣きたくなってくる。リリアナ嬢が鍵を、おそらく緑魔法で取ろうとしているのだろう。しかしその体はうまく魔法を使えないようだ。俺はなけなしの魔法を使いつたない文字を表す。無理をするな、と。リリアナ嬢は何か決意した顔になり緑魔法を唱え鍵を手に入れることに成功する。そして部屋からは脱出することができた。
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敵に見つかってしまい俺たちは戦闘になった。リリアナ嬢は私を戦わせる気はないらしい。どこから出てくるかわからない魔力で俺にウォータシールドをかける。確かに今の俺はでは役に立たないかもしれないが盾ぐらいにはなれる。そんなことを考えているが体は動かない。ちょうどそのときリリアナ嬢のイヤリングと肩に剣があたる。辺りに魔力が散りすぐに消えてしまう。リリアナ嬢は白魔法を使っていた。敵の攻撃には気づいていない。俺は勢いをつけてウォータシールドを割り、その勢いのまま敵をなぎ倒す。
よかった。リリアナ嬢に怪我はないようだ。リリアナ嬢はこちらに気づいて
「レオナール様!」
と声をあげた。そんなに心配しなくてもいいんだがな。安心するのはまずかった。リリアナ嬢の背後から剣が迫る。声を出そうにも声が出ない。そのまま切られてしまうリリアナ嬢を目をした俺は動けなくなった。気づいたときにはもう遅い。敵の攻撃が目の前まで迫りヤバいと思った瞬間。
「ダメーーーーーーーーーーーーーーーー!」
リリアナ嬢が声をあげ謎の爆風が敵を吹き飛ばす。壁に勢いよくぶつかるも意識はあるようだ。しかしリリアナ嬢の攻撃は止まらない。
「アアアアアアアアアアアアアアアアア!」
魔物の唸り声のようなどこか悲しげな声をあげ回りにありとあらゆる魔法をぶちまける。赤、青、緑魔法はもちろんだが白魔法のような光の玉そして、空間が歪むような現象。
「ひぃ!お前らずからるぞ!」
敵は仲間を引きつれて逃げていく。俺はおそらくリリアナ嬢が無意識にかけているであろうウォータシールドの中にいる。その中からこの世にも奇妙な光景を目の当たりにする。これだけの魔法が使えると言うことは適正があると言うこと。さらに恐ろしいのがこの現象だ。魔力暴走を起こしている。早く止めないとリリアナ嬢の命が危ない。
「リリアナ嬢……!」
何とか声を出す。もう敵はいない。安心していいという気持ちを込めて声を出すとこちらを見て数秒後、糸が切れたように倒れた。そして建物の入り口の方から声がした。
「リリアナ!レオナール様!返事をしておくれ!」
ああ、助けが来たのだと思ったら返事をする前に意識を失った。
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