日常とは
周期的にくる腹の痛み。忌々しい。
ブックマーク等ありがとうございます。
今日は伯母様は一日お兄様に付き合うそうです。と言ってもお兄様は明日から普通に学校があるので今日の午後には寮へ帰らねばならないそうです。別れ際のお兄様の顔が楽しみです。それはそうと今自室で刺繍をやっておるのですがすごくめんどくさいですね。やっぱり。肩がこります。休憩しながらハンカチに刺繍をほどしていきます。ああもう疲れた。忍耐力が足りませんね。気晴らしに魔法の本でも読んで学習しましょう。するとコンコンとノックの音とともにサリーがお茶を持ってきてくれます。そして何と完成しました。カップケーキ試作品バージョン!。刺繍前に生地を焼いておいたんです。前世では混ぜるだけで簡単、と思っていましたが分量が分からずべちゃべちゃしたり硬すぎたりして試行錯誤を重ねて完成した一品です。サリーに紅茶を入れてもらい2人で食べます。
「美味しい!これは成功ねサリー!」
「はいお嬢様!表面がいい感じにこげて香ばしいですが中はふわふわ甘くて幸せです。」
2人でお茶会を楽しんでいると伯母様から通信が入ります。
『お客さんが来たみたいだよ。たぶんお前のお客さんだな』
ん?お客さん……あ、そう言えばレオナール様が今日いらっしゃるとか手紙来てた気がしますね。忘れてた。
『ありがとう伯母様。すぐ行くわ』
階段を下りて玄関へ行くと到着していてお父様と話していました。伯母様が急に来たので仕事を少し休んでいたお父様にお父様の上司から早く帰って来てくれとのことらしいです。何故レオナール様がお父様の上司からの伝言をしているのかは不明です。私が来たのに気づいた様は笑顔を向けてくれます。
「久しぶりだなリリアナ嬢。遊びにこさせてもらったよ」
「お久しぶりですわレオナール様。お会いできて嬉しいです」
こちらもニコッと最大限の笑顔でお出迎えします。今日は何をしようかな?と悩んでいるとこの間のお礼にいくつかおすすめの本を持ってきたから一緒に読まないか、と言われたので読むことにしました。
「いくつか妹にも借りたからリリアナ嬢の興味のあるものを読もう」
そうですね。恋愛ものが良いのですが妹、つまり姫様なら待ってそうですよね。冒険記や恋愛小説などいろいろありました。最初は恋愛小説にしようかと思いましたがレオナール様と一緒ですし。ん?
「『黒魔術の書?』」
「あぁ、黒魔法の魔術書だな。要は教本だな。しかし、そんなもの持ってきていたか?」
「黒魔法と言うとおまじないも含まれますわよね?面白そうですわ」
「まぁスキルなしのやつでも出来るものも載ってるし見てみるか」
2人で本を見ていますが同じ本を至近距離で見るので結構恥ずかしいことに今気づきました。改めてレオナール様の顔を近くで見ましたがやはりイケメンですね。まつげ長いし目は大きいし顔は……子供だからってのもあるけど小さいなぁ。羨ましい。あまりじろじろ見すぎたけでしょうか。レオナール様がこちらを見ます。
「何か俺に顔についているか?」
「いや、あの、……かっこいいなぁと思いまして」
誤魔化してもばれそうだったので素直に白状しました。するとレオナール様はプイッとそっぽを向いてしまわれました。怒っているのでしょうか。何か気にさわることしてしまいましたかね。今回は失敗ですね。
本日もありがとうございます