表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/68

了解しました

夏休みが終わる...終わってしまう


「つまり【会話】魔法を何とかして簡単にしたかったと。それで自分で魔法石を作成したと」


「ごめんなさい。伯母様」


伯母様の目力に負けて白状してしまいました。伯母様は何か渋い顔をしておられます。


「言ったろ?怒ってるわけじゃなさ。しかしばれたら大変なことになるだろうな。魔法石を作るなんて」


え、そっちですか。てっきりこの【通話】の魔法道具を作ったことか透魔法を使ったことだと思っていたのですが。魔法石を作れるのは珍しいことなのでしょうか?意外と簡単に出来た記憶があるのですがね。


「伯母様。魔法石を作るのは駄目なんですか?」


「駄目じゃない。と言うか作ったやつがいないから駄目、駄目じゃない以前の問題だな」


「いない?誰一人とですか?」


「少なくても私の知っている人ではいないな」


そういって伯母様はため息をつくとベランダの方へ行きます。そして扉を開けタバコらしきものを取り出し一服し始めました。そしてちょいちょいと私を手招きします。それに従いベランダへ行くと真剣な顔で話を切り出されました。


「いいか、リリアナ。それが作れることは誰にも言っては駄目だ。これだけは守ってくれ。その事実がばれたら大変なことになる」


それはもちろんです。誘拐なんぞされたくないですから。前世でも誘拐なんてされたことないですからね。そんな恐ろしいことに自ら足を踏み入れたりしませんよ。...この体では大の大人につかまったら抵抗も出来ませんしね。そんな考えが私の心に浮かびます。


「透魔法が使えることは言っても良いがたぶん、いや確実に面倒なことになるぞ」


茶化してきますがそう言う伯母様の顔は少しうれしそうです。やはり実力がある人のことは好きなんでしょうか。その笑みが何を意味するのか私には分かりません。伯母様はタバコを捨てるとこちらを振り向きます。


「よし、リリアナ。私がその魔法道具の第一体験者になってやろう」


「いいんですか?」


「ああ私ならある程度魔力が暴走しても何とかなるからな」


やりました。実験できます。私は伯母様に一通りの使い方を教えるとイヤリングの片割れを手渡します。伯母様は自分の耳にそれをつけるとにっこりと笑いました。おお、笑うと少し幼く見えますね。伯母様は私にもつけるように言い私の部屋から出て行きました。早速実験するそうです。私もつけて部屋をうろうろしているとイヤリングから声がします。


『リリアナ、聞こえるか?』


『はい、聞こえますわ。』


『おお、成功か。リリアナの部屋から一番遠い部屋にいるんだが何とかなったな。』


『やりましたわ!...それはそうと伯母様。なぜこの魔法道具に目をつけたのですが?「ウォータシールド」で魔力の流出は抑えられているはずなのですが。』


『勘。』


伯母様の声はいたって真剣でごまかすような気配は感じられません。しかし、勘って鋭すぎやしませんか。


『リリアナもアクセサリー好きなのかと思ってみていたら、ただのイヤリングじゃねぇなと直感で思ったのさ。』


伯母様の勘やばいです。侮れませんね。いったん通話を切り部屋に戻ってきてもらいました。二人で改善点を考えたりお母様たちの話を聞いたり楽しく過ごしました。しかしこのときの私は何も分かっていませんでした。


フラグなんて立てるものじゃないということを。





読んでくださりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ