あったな、そういえば。
久々に予定のない日曜日だった。
最近は、なんやかんやと、仕事に引っ張り出される。
親父や兄貴の補助とか、また電車に乗って近場の山とか・・。
久々の休日。満喫しなければソンだ!とはわかっているが、目の前の山済みになった問題に頭を痛めていた。
その1 神夜学校破壊工作
警察や消防やたくさんの人が来て色々調べたらしいが、火元の特定さえ出来ない、原因不明の爆発で、まだちょろちょろ調べている。施設の老朽化が原因だろう・・みたいな雰囲気にはなっている。
本当に申し訳ない。火元は明かせないんだ。
原因は、俺の不用意な一言。あと神夜に交際を申し込んだ命しらずなヤツのせい。
その2 最近の神夜
確かに、なんかヘンな気がする。あんなに、積極的に俺に色々するヤツじゃなかった。
せいぜい俺の困った姿を見て、悪魔的微笑で見学してたぐらいだったのに・・。
その3 神夜に告白するバカが後を立たない
命知らずが多い。陰陽師の俺でも制御出来ないんだぞ!結界ぐらい張れるようになってから、申し込めとは思うが言えない。っていうか、俺は神夜の幼馴染ポジションでやっと落ち着いたのに、今さら出て行くのはイヤだ。ゴルゴダの丘に自ら登るつもりはない。
その4 九十九神騒動
今だに五家の調査でも、原因不明。
ただ、場所が鎌倉だから、もしかしたら俺も出勤する可能性大。
後は・・何かあったか?色々ありすぎてよくわからねーな・・。
細かい事は結構あるが。
弁当とか、昼飯食べれる場所がなくなって困ってるとか、神夜が逐一告白の経緯を報告してくるとか。
そうだな、弁当食う場所ほしいよな。
屋上以外は結構外で食ってる女子とか多くて、周りの目が異様に気になる。
「はあ・・」
なんかいい事ないのかよ!ってふて腐れてたら携帯が鳴った。
「神夜・・・」
休日にまでなんの用事なんだよ!でも、後が怖いからとりあえず出てしまう小市民な俺。
「なんだ?」
「悠真様、今日はお仕事お休みなんですわよね。約束を守って頂こうかと思いまして・・」
約束??
「デートするお約束ですわ」
「・・・・」
あったな。そんな出来事も・・。
「どちらに参ればよろしいでしょうか?」
正直どちらにも参ってほしくないな。
「うふふ。楽しみですわ。昨日の夜から眠れませんでしたもの」
昨日の夜?なんで俺が今日仕事無いこと知ってるんだ?俺でも当日まで知らないのに・・。
先読視か?見張りか?それともすでに仕事量まで管理されてるのか?どれだ!?
「・・・・」
嫌な予感がしまくる。会わない方がいいに決まってる。
神夜といて、いい目にあった事が無い。よし・・会うのは延期にしよう。
「俺さー今日仕事が・・」
仕事ならしょうがないだろ?
「嘘ですわ。今日は悠真様はお仕事ありません。だって、絶対に今日は悠真様にお仕事を入れないでって頼みましたもの。お父様達に」
誰の親父だよ?お前か?俺か?どっちにしても、仕事量は神夜の判断なのかよ・・。
神夜頼みで忙しくも休みにもなるのか・・。
「もう、お昼ですから、近場でいいですわ。悠真様がお望みなら、遠くでもよろしいですが」
「・・・はあ。俺さ、久々の休みでゆっくり、のんびり精神を癒したいんだよ。誰かさんのせいで、最近は心の休まる暇がなかったんだよ。肉体も少々焼かれたりしてな」
「まあ。悠真様にそんな酷い事をされた方はどなたです?私が焼き返してさしあげますわ」
「・・・・」
通じないな。やっぱり。お姫様は自分が酷いことしてるとか考えないのか?
「どちらにしても、今から悠真様のお宅へ参ります。しばらくお待ち下さいね」
「おい・・あっ!!」
切りやがった・・。来るのかよ・・。
はあ。仕方ないか、約束したしな。恐怖からだけどな。仕方ない・・。うん仕方ない。
「どこ・・行こうか??」
そういえば俺はデートといわれる男女参加型行事に参加をした事がない・・。
これって・・やばいのでは??
「うわっ!どうしよ?どこ行こう??」
もっと、事前に言ってくれてれば、情報収集をしたのに!
「待て・・。落ち着け俺。相手は神夜だ。別にどうでもいい女だ。むしろ振られたいぐらいの相手だ。どこでもいいじゃんか・・。隣の児童公園でもいいぐらいだ」
それなのに、なんとなくプランなどを立てたりしている俺の頭。
最近は・・ヘンだな。頭も体も・・。
体調不良だな。神夜が現れて、仕事が増えて・・。
そうに違いない。
しばらくボーッと待っていたが、
「アイツ・・遅くないか?」
気づいたら、電話を切って2時間以上経っていた。
イヤな予感が・・しまくった。