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バグ個体に転生した俺、魔物として進化しながら人間社会を喰らう  作者: HATENA 
第11章「外の外」

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第4話「干渉戦」

 同格の干渉能力を持つ二つの存在が同一領域で相互に観測・書き換えを行った場合、どのような優先関係と均衡が成立するかを観測する。


 逃げ場はない。


 同じ場所。


 同じ強度。


 静止した世界。


 外は止まっている。


 内だけが動く。


 対象の男と。


 もう一つの存在。


 向かい合う。


 距離は数歩。


 だが。


 意味はない。


 どこでも同じだからだ。


 その存在が動く。


 一瞬。


 消える。


 同時に。


 背後に現れる。


 空間が書き換わる。


 位置が変わる。


 対象の男の背後。


 だが。


 振り向く前に。


 “戻る”。


 元の位置に。


 「……速いな」


 短く言う。


 移動ではない。


 位置の再定義。


 対象の男が手を動かす。


 空間を固定する。


 座標を確定させる。


 その瞬間。


 相手の位置が“固定される”。


 逃げられない。


 だが。


 “崩れる”。


 輪郭が分裂する。


 複数になる。


 同時に存在する。


 どれも本体。


 どれも違う。


 「……増やすか」


 対象の男が言う。


 同じように。


 自分の存在を分ける。


 複数の視点。


 複数の位置。


 同時に観測する。


 その瞬間。


 空間が重なる。


 位置が重複する。


 干渉がぶつかる。


 “優先度”が発生する。


 一部が消える。


 だが。


 すぐに補完される。


 完全な消滅はない。


 押し合い。


 引き合い。


 均衡する。


 その存在が手を上げる。


 世界を見る。


 その瞬間。


 外の世界が書き換わる。


 通りが消える。


 空間が抜ける。


 何もない場所になる。


 対象の男が見る。


 即座に再構築する。


 元の形に戻す。


 「……触るな」


 短く言う。


 その存在が笑う。


 初めての反応。


 「……同じだな」


 言葉が返る。


 理解している。


 やっていることは同じ。


 違いはない。


 対象の男が動く。


 今度は。


 “時間”を触る。


 進行を遅らせる。


 相手の動きを。


 半拍だけ。


 その瞬間。


 相手の動きがずれる。


 だが。


 “戻る”。


 時間が再定義される。


 遅延が消える。


 「……効かないか」


 短く言う。


 その存在が応じる。


 「……同じことをしてるだけだ」


 干渉。


 上書き。


 再定義。


 すべてが同時に行われる。


 優劣はない。


 決着もない。


 均衡する。


 男の視点。


 互いに同等の干渉能力を持つため、どの操作も即座に相殺され、結果としてどちらの状態にも完全には収束せず、常に更新され続ける均衡状態が成立していることを明確に認識している。


 「……終わらないな」


 短く言う。


 その存在が答える。


 「……終わらせるか?」


 問い。


 だが。


 答えではない。


 次の段階。


 選択。


 一方。


 外。


 さらに上。


 視点が揺れる。


 二つの干渉が。


 ぶつかる。


 完全に。


 同じ強度で。


 「……均衡か」


 静かに言う。


 崩れない。


 決まらない。


 なら。


 次は。


 「――変えるしかない」

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