第2話【願いの鐘】借屋住まいのライフハックと30年前のオマージュ
羽柴秀成:
「始まりました第2話!ついに中村を飛び出して、大都会・清須へやってきましたね。でも、伯父上(藤吉郎)が用意した家が……えーと、これ家ですか? 物置じゃなくて?」
藤堂高虎:
「(眼鏡をクイッと上げる音)……これはひどい。あまりにもボロくて狭い家ということですが、建築家から言わせれば、これは居住空間ではなく『雨風を凌ぐだけの箱』です。まず、入り口から奥まで一歩で着く狭さでは、有事の際に槍を振るう空間すらありません」
磯野員昌:
「ふん、足軽の住まいなどそんなものだ。だが高虎、お主の言う通り、この狭さでは暗殺者が来たら逃げ場がないな」
高虎:
「そのとおりです!さらにセキュリティ(防犯性)も皆無。壁は薄く、隙間風どころか外から筒抜け。プライバシーもへったくれもありません。直殿がねね様の侍女として浅野家に預けられたのは、まさにこの『劣悪な居住環境』からの避難という、藤吉郎なりの気遣いなわけですな」
秀成:
「でも、そんな貧乏生活の中でも、伯父上が語る『願いをかなえる不思議な鐘』の話が素敵でした。撞いた数だけ銭が落ちる……まぁ、完全にファンタジーですけど(笑)」
高虎:
「銭が落ちる仕組みを物理的に解析したいところですが、あれは母・なか様の『心の教育』。絶望的な状況でも、希望を捨てずに毎日少しずつ貯めるという、一種の家計管理術の比喩でしょう。実際、なか様たちが村で鐘を撞いて兄弟を送り出すシーンは、精神的なバックアップとして非常に有効です」
秀成:
「なるほど!深みがあるますね。高虎が精神の安定を語れるとは意外ですが」
秀成:
「後半の展開は辛かった……。直殿が逃げ出してきた祝儀を狙う野盗に、さらには野武士の集団。父上が必死に守ろうとした田んぼも、仲間の命も、一瞬で踏みにじられて……」
員昌:
「これが戦国よ。小一郎殿が『なんなんじゃこれは!』と咆哮したが、あれこそが、平和な農民が『力なき正義』の限界を知る瞬間だ。藤吉郎が『これが、この世じゃ』と冷徹に諭したのは、彼がすでに泥水をすすって『侍(暴力装置)』の必要性を理解していたからだろう」
高虎:
「この時の小一郎の失敗は、『防衛ラインの欠如』です。野盗を裏の敷地に誘い込むという小細工は一時しのぎに過ぎません。村全体の防備を固める『城郭化』がいかに重要か、身に染みてわかったことでしょう」
秀成:
「ところで、直殿の実家は、尾張中村の土豪という設定ですが、この父親の坂井喜左衛門という人物は実在するのでしょうか?」
員昌:
「当時の資料には、織田信秀(信長の父)の弟の家臣として名前があるそうだ。ただし、中村の土豪だったかどうかはわかっておらん。結局、実在するが中村の有力な土豪というのはドラマ上の設定、ということだな」
秀成:
「あともう一つ、不思議に思うことがあるのですが… 織田家が統治する中村が、あんな頻繁に盗賊に襲われるものなんでしょうか? 治安ってどうなっているんでしょう?」
高虎:
「私が説明しましょう。大名の統治が安定してくれば、あのような武装集団が襲ってくることはなくなりますが、この当時は、兵農分離もされておらず、百姓が普通に武装してますから、起こりうることだと思います。制作陣としても、信長の領内統治が進んでいない状況を表現したかったのかもしれませんな」
秀成:
「最後に、藤吉郎が村に戻ってくるシーン、印象的でした。母親のなかが『あんたはお天道さんのようにおなり』と言ったシーン、あれは秀吉を妊娠した時に、太陽がお腹に入っていった夢を見たという逸話をモチーフにしているのしょうか」
高虎:
「確実にそうでしょう。あと、なか様が鎌を持って近寄るシーンと、太陽に向かって手を伸ばすシーン、噂ではありますが、竹中直人殿が演じられた昔の大河ドラマ『秀吉』のオマージュとか」
秀成:
「そんな、隠し設定があったとは。それって何年前のドラマなんですか?」
員昌:
「30年前だな。気づいた視聴者は余程の大河ファンということじゃ。残念なことに、わしは気づかんかった。悔しいのぉ」
秀成:
「流石に30年前のドラマのオマージュは気づかないでしょう」
「ちなみに、美濃の斎藤義龍を演じていたのはDAIGO殿。祖父は元首相・竹下登殿だそうです」
員昌:
「なに!?リアルで天下をとった一族が、美濃の国守を演じておるのか?(なんだかデジャブなような)」
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