食における文化の調査
「では、報告を聞こうか」
髭の長い老人は椅子に座っていた。
書類を持っている人は立っている。
立場の差が現れていた。
報告が終わったら早く帰りたかっただけかもしれないが。
「1国では20mを超える巨大な生物を捕らえ食べています」
「大きければ食べられる量も増えるからね。特に不思議でも何でもない」
「また、タコやイカと呼ばれる水生生物も食べられているようです」
立体映像として髭の人物の前に表示される。
「これは!?」
その見た目はあまりにも奇妙であり、とても酷似していた。
「フゥー。この国とは仲良くなれないようだな」
「はい。次に2の国についてです。他国では狩猟や伴侶動物として飼育される動物を食べるようです」
「ふーん。食用として品種改良すれば良いだけだからね。そういうこともあるだろう」
馴染みがない見た目であったため、気に止めることはなかった。
「最後に3の国についてです。ここでは同族を食べているようです」
「は?比較的先進的な国のみを調査しろと命令したはずだが、戦争か飢饉でもあったのか?」
夜に輝く光の量から発展レベルを計測し、食料自給率の簡単な調査も行ったが、不測の事態はいくらでも考えられる。
「いえ、特定の富裕層の集まりで行っているようです。戦争の兆候は見られますが、影響は少ないです」
「何ということだ・・・」
少し驚いたが、まあやりそうな生物ではあった。
「以上で報告を終わります」
「ご苦労」
書類を持った人物は、早く帰れたことに喜んでいた。
〈終〉




