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循環などしていない
圧倒的な輝きが化学変化の特異体を照らす。
緑は光に近付こうと上を目指す。
他を押し退け、身体を伸ばし、偉大なエネルギーの恩恵を一身に受ける。
捕食者は緑の侵食を阻む。
捉え方によっては一つの管とも言えるそれは非常に長い。
ありとあらゆる工夫によって消化される。
捕食者は、別の捕食者により被食者になる。
動かぬものを仕留めるのとはわけが違う。
知恵と数と武器が頼りだ。
死ねば全て分解者に委ねられる。
その後は緑の栄養になる。
まるで世界が好都合に回っている。
しかし、この星の生物達は太陽の垂れ流しの力にただ乗りしているだけだ。
ほんの一部でもその力を返還などしていない。
光は有限だ。
星は有限だ。
有限だから世界から争いはなくならない。
そこに思想も宗教も文化も関係ない。
少ないものを分け与えることなどできない。
今も減り続けている。
この星は何も上手くいっていない。
〈終〉




