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エクストリームワールド  作者: 百円


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遠ざかる2人

「あなたのことを愛しています。どうかもう一度、私と一つになってください」


地球による熱烈なアピールは今でも続いていた。


「嫌よ。あなたは大きすぎるわ」


月と地球を比べた時、

直径では4分の1

体積では50分の1

質量では81分の1

と、太陽ちゃんほどではないにしろ、尋常ではないほどの差があった。

もしも2人が猛烈なキスをするのであれば、お互いの被害は甚大であり、片方が消えてなくなる可能性は十分にある。


「私は確かに大きいかもしれません。しかし、心はこんなにも繊細なのです。あなたを思うだけで心が波打つ。私の情緒が安定して回転しているのもあなたのおかげです。四季選り取りの変化も飽きを忘れさせてくれる」


潮の満ち引き。

地球の自転。

四季。

これらは月が適切な位置にあるから成り立っている現象だ。

月がなくても地球を這う奴らは出現していただろうが、今とは大きく異なる存在になっていただろう。


「あなたは自分のことばかりなのね。どれだけ小石をぶつけられてもあなたは私を気遣ってなんてくれない」

「それは······」


月にあるクレーターは地球を守ってできたものという仮説もある。


「それに私の綺麗な面だけ見ておだてるのもいい加減しんどくなってきたのよ」


太陽の反射によって月は光輝く。

だが、月は地球に同じ面しか向けていない。

いつだって裏の顔は秘密にされていた。


「昔はあなたのことを青々しくてとても美しいと思っていたわ。でも、今のあなたにはその良さもなくなった。やっぱり見た目って重要よね」


幾度となく環境が激変してきた地球だが、現在はうじゃうじゃいる動物に強く影響されていた。

大きな地球にとっては些細なことだったが、その些細なことを放置したせいで歪みは大きくなっていく。


「分かりました!災害を起こして美しくなります!」


一種の自浄作用と呼べるかもしれない。


「私、怒りっぽい殿方は嫌いなの。あなたとはやっていけないわ。さようなら」


「待って!待ってください」


少しずつ、確かに月は地球から離れていく。




〈終〉

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