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エクストリームワールド  作者: 百円


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最近の流行りはスマホ

現代ファンタジーというジャンルがある。

ダンジョン攻略の話や陰陽師、超能力なんてものが当てはまる。


その中でも超能力は最もありふれたジャンルといえるだろう。

隕石が落ちてきたせいで超能力者が生まれる。

はたまたボーイミーツガールの王道展開によって不思議な能力を手に入れることもある。

珍しい場合は生まれつきか。いやいや、それも今では数多くある。


そんな中で、誰もが持ち、もはや日常とかしている存在がある。

少年は当たり前の産物によって非日常に誘われた。


スマホには勝手に、あるいは超常的な干渉によって全く知らないアプリが増えていた。

「超究極能力」という小学生だった頃のセンスを思い出させるものだった。

スマホに電源を入れた瞬間にそれは起動した。

画面には「紙を操る」とあった。

これが主人公だったなら終盤に神とでも表記が変わるのかもしれないし、よくわからない能力を手に入れる時点で誰かのご都合主義なのかもしれない。


少年は疑うことなく折り紙を取り出して念じた。

折り紙はひとりでに動き出した。

触らずに鶴ができたり、飛行機ができたりした。

だが、さすがに空は飛べないようだ。

工夫次第ともいえるし、もっと詳細な検証も必要だろう。

しかし、少年はがっかりした。

自分だけが不思議な力を得たとは考えられない。

この能力で自分の身を守りきる自信は生まれなかった。



世界は簡単に崩壊した。

治安が良いと思われていた日本でさえ、ビルは崩れ、あちこちで火が燃え広がっていた。

簡単にお札を盗めるかもしれないという能力の拡張は、お金の価値の喪失とともに忘れ去られた。

少年はかろうじて生き残っていた。

生き残っているだけだ。

なんとか水は確保したが、食料は何日も食べていない。

超能力の抹消による事態の解決や今までの平和だった日々を妄想しながら生きていた。


少年は立ち向かう決意を固めた。

このまま野垂れ死ぬことを黙って許容することがバカらしくなったのだ。

最低限の情報収集は済ませた。

自分ならやれる。

大量の紙をネズミにし奇襲をかける。

だが、これは囮だ。

他の紙が食料を運ぶ。

万が一失敗しても自分は気付かれない。

大丈夫だ。


そして、何とか食料を手に入れた。


「美味しい······」


空腹が旨味を引き立てるわけではない。

久しぶりの食事に対する感動と達成感、例え人間が自分だけになっても最後まで生き残ってやるという自我が、己を奮い立たせ涙を流させた。



スマホの充電がなくなり超能力が使えなくなる。


門番をしていた者の姿が見えた。

大きな爆発音の後、巨大なクレーターが惨状を語った。




〈終〉

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