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エクストリームワールド  作者: 百円


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トリックアート

「それでは会議を始めます」


 厳かな雰囲気。

 誰もが真面目な顔つきだ。


「最近値上げが激しくわが社の経営も難しくなっています。その為コストカットをする必要があります」


 商品の値段が上がると消費者は物を買わなくなる。

 すると、店の利益は減る。

 収入が減れば物を買えなくなる。

 これが負のスパイラルだ。


 本来は政府が税金を下げるなどといった対策を取るべきだが、なんかもう期待できねえ。

 企業は不景気の中で倒産しないために対策が必須だった。


「私は主に食品の費用を削減すべきだと考えます。

まず、弁当についてです。底を上げることでご飯がたくさん入っているように見せます。更にプラスチックの容器で肉とご飯を分け、この間の空間を大きくすることでご飯のコストを削減できます。つまり二重底ですね」

「「「おお!素晴らしい!」」」


 惜しみない称賛の拍手が贈られた。

 まさに画期的。

 今の時代に適した経営戦略だった。


「次におにぎりについてです。これはシンプルに具を減らします。塩おにぎりについては今までの機械を停止し、具が入っていないおにぎりを提供することで中が空洞になります。更に、海苔のプリントをすることで海苔の費用を削減できます」

「「「ブラボー!」」」


 喝采!

 米の値段もバカにならないほど上がっている。

 地味な工夫が会社を支えてくれるのだ。


「今度はドリンクについてです。透明な部分の上部と下部にプリントすることで中身がたっぷりに見えます。これによって実際よりも容量を減らすことができます」

「「「おおー!」」」


 もはや言葉すらない。


「それだけではありません!パン類については一部をはみ出し、入っているアピールをしつつ実際には中身を入れません。中身が見えないパンについてはシンプルにクリームやチョコを減らします」

「感動した。わが社の未来は明るいな」


 会議は続く。どこまでも。

 収益は減る。どこまでも。


 こうしてまた一つ。不景気と誤った経営判断によりトリックアート企業は倒産するのであった。




〈終〉

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