ハーレム・エンド
「あ~ん♡」
一人の男はだらしない姿で女性にプリンを食べさせてもらっていた。
周りにはうちわで扇ぐ者やマッサージしている者、棒を穴に入れてギシギシ音をたてている者。たくさんの女性を一人の男が独占していた。
「まずい!」
プリンを食べた一人の男は突然激怒した。
高級食材をふんだんに使用したプリンが不味いはずもなく、実際一人の男は美味しいと思っていた。
しかし、一人の男はただ何となく苛立っただけで思ってもいないことを口にし、プリンを食べさせた女を殴り飛ばした。
女は家具の角に頭をぶつけ、大量の血を流した。もうすぐ死ぬだろう。
「おい!片付けろ!」
「はい♡」
すぐに死体を運び出し、血を拭き取っていた。それはあまりにも異様な光景だった。
彼女達にとっての幸せは男に尽くすことである。ただその為に存在し、その為だけに産まれてきた。
遺伝子操作によって生み出された女しか産まない女。美人で、男にとても献身的であり、器用で、どんなことをしても許しくれる。ほとんどの男性の理想像そのものであるそれは、イカれた破滅主義者によって生み出された。
時間をかけて、ゆっくりと男性の数は減っていき、一人の男を残すのみとなった。
芽吹く春は二度とやってこない。
〈終〉




