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猫神ランドループ  作者: 黒色猫@芍薬牡丹
第四章 マルス祭
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第65話:第18戦目

 さて、ついに俺の出番。第18戦目だ。

 リナリアの戦闘が終わった後、俺は舞台に降りてリナリアを治療した。昨日のレイの大暴走により負傷した奴らを“ある程度”治療したこともあり、少し注目を集めたのが少し焦った。しかしそれ以上に客から大人気だったのが、リナリアだった。

 なんか、八卦魔術は今までにない魔術だったらしく、魔術研究者からの熱烈ラブコール(研究所への)があったのだ。

 それと、リナリアは亜人ではあるがその容姿は非常に可愛い。というか、ちょうど“可愛い”と“美しい”の間の時期で、それが熱烈なファンを生み出した。

 試合後も鳴り響く大声援。舞台に上がろうとするファン

 というわけで、リナリアを連れて転移した。てか、リナリア怯えてたし。

 そのため、客席にいるリナリアは両側にノアとレイを配置し、瞼深くフードを被っている。

 まぁそれは置いておいて、俺はすでに舞台に上がっていたりする。ノアとリナリア、レイも客席で見ているらしい。

 ノアから、負けたら承知せん、というありがたいお言葉を受け、俺は舞台へ向かったのだった。


「ふむ………、さてどうやって戦うか………」


 目下の問題はこれだ。

 とりあえず、100度の練習より1度の実践。これを機に少し修行でもしてみようかと思うのだ。目標は、魔力の効率的運用と体術、そしてとっさの判断が正しく出来るかなどだ。


「とりあえず大魔術は使わない方向で行くかな………。超電磁砲も今回は封印するか」


 後は、………そうだな、一応身体強化魔術の効率化をまずやるか。

 なんてグチグチ考えていると、審判が出て来た。もう間もなくか。

 俺は客席を見渡す。遠くの方にノア達がいるのを確認出来た。

 見られてたら不甲斐ない戦いは出来ぇよなぁ、と考えていると、


 ドォン!


 空砲が鳴り響き、第18戦目の開始を告げた。


「あ、始まった……ってうぉい!」


 ブォンッ!


 目の前を通り過ぎる剣に、思いっ切り身を引く。

 あ、危ねぇ………。避けてなかったら普通に切れてないか?


「フンッ。ガキがこんな所に何の用だぁ?」


 そこにいたのは、なんか重そうな鎧を着込み、兜まで被っている、筋肉隆々と思われるダンディなオジサマだった。

 もちろんこんな人知らん。


「おまッ、避けてなかったら腕切れてたぞ!?」

「峰打ちだ」


 その剣、日本刀じゃなくて西洋剣だから峰付いてないッスよ?


「ついでにマルス祭は殺しは反則だ。つまり逆に言えば死なないなら何してもいいんだよ」

「失血死とかショック死とかあるでしょう!?」

「あぁ? なんだそれは?」


 えー。まさか知らないんですか?


「まぁ細かいことはいい。とりあえずくたばれ!!」

「もうヤダこの肉達磨!」


 再び横薙ぎに振られる剣を伏せることで回避し、身体強化魔術を使う。全体の筋肉や骨、神経にいたるまで鋭敏に、かつ堅固にし、普段よりも勢いを増した蹴りを足に放つ。

 が、鎧が邪魔してダメージは全く入らなかった。むしろ俺の足が痛かった。


「お前……鎧は反則だろ」

「バカか。標準装備だよ」


 ………あ、そういえばそうだな。ってか俺の仲間って基本的に魔術師ばっかだから鎧とか着ないんだな。まぁレイとかスィードはオールレンジでいけそうだけど。

 俺も近距離戦勉強しないといけないかもしれんな。

 なんて考えている間も、肉達磨の剣戟は終わらない。


「フンッ」

「っとと」


 肉達磨は嫌いだが、その戦い方は非常に勉強になる。薙いだ剣はそのスピードを殺すことなく次のモーションへ移る。さらに、足捌きもデカい図体のわりに細かく動いており、それにより間断ない攻撃が出来るようだ。

 もちろん全て捌ききれるはずもない。少しずつ腕や体にも傷が増えていく。しかし、その傷を代償にしても肉達磨の剣戟を見る価値はあった。


「強いな、お前」

「それはいいが、この予選の形式忘れてないか?」


 予選の形式?

 なんかあったっけ?


「はぁ……。何かっつーとだな、これは“約50人による乱戦”ってことだよ」


 ドンッ!!


 一瞬呆けた次の瞬間、脇腹に今までにないほどの衝撃が来た。

 その瞬間目の前が白く霞み、地面に叩き付けられた時には胃の中がひっくり返りそうだった。


「がッ、ぐ………ぁ!!」


 痛い。

 痛い!

 何が起きた………!?


「グローさん、お久し振りです」

「よぉアル。お前も出てたのか」

「ええ。ところで横槍入れてしまいましたが、よろしかったですか?」

「あー、別に構わんさ」


 ………どうやら俺は、横からさっきまでの肉達磨とは別の奴に、脇腹を殴られたか蹴られたかされたのだろう。確かに乱戦だから1対1ではないだろうけど、これは汚くないか?


「しかしなんでグローさんがマルス祭に?」

「暇つぶしさ」


 声の感じから、今まで戦っていたのはグローというやつらしい。しかしもう1人のアルって誰だ………?


「ところでグローさん。何遊んでたんですか?」

「いや、どうせ雑魚ばかりだしな。それに言っただろう? 暇つぶしだと、な」

「あはは、なるほど。納得しました」


 俺は痛みに苛まれながらもその言葉を聞いていた。

 そういえば体術主体だったな………。魔術は一切使ってなかったと思う。

 くそが………本気じゃなかったってか?


「とりあえずコレ、場外まで運んどきますね」

「ああ」


 そう言うと、アルというらしい男が歩いてきた。


「グローさんに目を付けられるとは災難だったね。今、楽にしてあげるよ」


 そう言うと、その手に魔力が集まりだした。何をするのかは分からないが、とにかく俺を吹っ飛ばす魔術なのだろう。

 やべー、動けねー。腹痛いっつか肺がいたい。アバラ折れてんじゃね?

 なんて考えているうちに、魔術を放とうとこちらへ手をかざした。

 あれ、終わった?と思うと同時、視界が白に塗りつぶされる。

 その瞬間、誰かの声を聞いた気がした。

 こんにちは、芍薬牡丹です。


 まず、かなり遅れた投稿申し訳御座いませんでした。スランプってたのですが、おそらくもう大丈夫だと思います。


 それと、1つご連絡を。

 先に投稿しました63話と64話のリナリア回ですが、色々と不可解な点や小説的に忌避されるべき書き方などがありましたので、一度書き直したいと思います。

 次話を投稿するまでに書き直したいと思いますので、次話があったら書き直したんだな、と思うくらいで構わないと思われます。


 それでは。

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