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猫神ランドループ  作者: 黒色猫@芍薬牡丹
第三章 フォレスティン学園
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第51話:対城人間兵器

「勝負だユーリぃ!!」

「かかって来いやローレルぅ!!」


 ………なぜこうなってしまったんだろう。

 今、俺とティアの護衛であるローレルと、広場で向き合っている。なぜか臨戦態勢。

 ………本当に、なぜこうなってんだろう。


 話は少し前に遡る。



◆◇◆◇◆◇◆



 さて、と俺は心の中で一息入れる。

 魔法理論の授業は、教師からの説教がちょっと苦しかったが、なんとか乗り切った。

 昼飯はアンネと一緒に、セラとスィードととり、今は午後。つまり魔法の授業だ。

 午後になればほとんどの生徒が実践授業になるらしく、学園の裏にある大きな広場で大人数が魔法の練習をしている。

 ちなみに、ここの他に3つ広場はあり、学園を囲むように4つある。学園内にも体育館のようなものがあり、そこで剣術をしている者もいるし、技術者になりたい人はまた別の場所で魔法の運用理論を学んでいる。


「で、俺たちは何すんだ?」


 俺は隣にいるアンネに話しかけた。


「そうですねぇ………。とりあえず先生が言うようにしていればいいと思いますよ」

「いや、でもなぁ………」


 俺は一列に並んで、彼方に魔術を放つ生徒を見た。


「うぉぉおお! ファイヤぁぁぁああああ!!」

「ぐっ、シールド展開!!」

「ウォーターシールド!!」


 どっごぉん………


「ありゃ水蒸気爆発だな」

「はぁ、そうなんですか?」

「でもあれだなぁ。威力が弱い」

「………まぁあんなもんですよ」


 なんというか、練り込む魔力がしょぼい上に、雑だ。


「アンネはあれ出来る?」

「あー、出来るとは思いますが、人が多いと巻き込みますね」

「そういえばルドラ召喚の時もすごかったしな」

「この学園くらいなら潰せるかと」

「……………」


 対城人間兵器、ここに現る。

 なんて言っている少し離れたところには、セラがいた。


「えっと、ふ、ファイヤー!」


 ドンッ、と飛び出す何か。いや、視認が非常に難しいほど透明な炎だった。

 それは地表を焦がしながら、遙か彼方に消えていった。

 それを見た俺は、冷や汗が止まらなかった。


「………あれ、もしかして軽くプラズマ化してるんじゃ………いや、まさかな。つーか燃焼炎は元々プラズマらしいし」


 大きな独り言だった。


 と、ここで遠くから何やら聞いたことのある声がした。


「アンネルベル様ぁー!!」


 ああ、ティアの護衛かなんかの……なんだっけ、ローレルだっけか。そいつがこちらへ猛ダッシュで走って来ていた。

 それを見たアンネが、身を竦ませる。これは嫌いというより苦手なんかね。


「ふむ」


 俺は軽く手を振り、アンネの前に板状の結界を張る。と、同時に、


 バァンッ!


 ローレルがそれにぶつかり、ズルズルと地面に沈んだ。


「あ、ありがとうございます、ユーリさん」

「いえいえ、ワタクシ、姫を御守りするのが役目ならば」


 一礼しながら言うと、アンネはクスクスと笑った。

 さて、こいつどうしようと思っていると、急にローレルの魔力が膨れ上がった。


「ッ!」


 俺は反射的に結界を張る。しかしやはり練度が甘かったのか、すぐに破壊された。

 しかし、その一瞬で十分。俺は体を捻り、それを回避した。

 それは、土の槍。地表から俺目掛けて飛び出たようだ。


「あっぶねぇ………。何すんだテメェ!」

「貴様こそなんなんだ!」

「はぁ? 何がだよ」

「オレとアンネルベル様の仲を邪魔したあげく、オレの顔を傷付けるだと!? 万死に値する!!」


 ………ナルシストですか?


「決闘だ貴様!」


 ………どうしよう。

 アンネに目配せをする。


「………」


 ニコッと笑ってサムズアップのゴーサイン。


 ―――っておしまい。


 なんか幻聴が聞こえた気がしたが、気のせいだろう。

 まぁ奴の実力を知るのにもいいかもなぁ。


「ま、いいぜ。ルールは?」

「どちらかが負けを認めるか気絶するか、もしくは第三者からみて続行不可能と判断された時点で負けだ」

「了解。使い魔は?」


 俺が訊くと、ローレルは一瞬ポカンとしてから笑い出した。


「あっはっはっは! お前知らねぇの? 俺は《片翼のローレル》って呼ばれてるの知らないのか?」


 あいたたた。片翼かぁ………。

 ま、もちろん知らないんだけどね。


「まぁいいや。自信あんなら使い魔アリでやろうか」

「いいぜいいぜぇ!? お前みたいなバカは嫌いじゃないな!! つかお前の使い魔って何だよ!」


 随分テンション上がってんなー、などと考えながら、ノアを呼ぶ。

 ちなみにノアもリナリアも、獣の姿で木陰で昼寝していた。


「むぅ、なんじゃ、ユーリ」

「寝ぼけてんね。臨戦態勢になってくれんか」

「敵かの?」

「んにゃ、決闘」


 そうかぁ、と呟き、トコトコとこちらへ向かってくる。

 それを見てローレルは冷笑した。


「たかだか猫が使い魔か。貴様の器が知れるな」

「のぅユーリ。あやつ殺してよいか?」

「いや、待て待て」


 なんだってこんな殺伐とした性格になったんだ。


「オレの名はローレル・リンディア! 名を名乗れ!!」

「俺はユーリ・ツキシロ。よろしく」


 互いに距離を置いて対峙する。

 周囲はいつの間にか静まり返っていた。周囲の生徒や教師までも、俺たちを静かに見守るのみ。

 風が流れ、砂が舞う。


「やるか、ノア」

「うむ。小僧に格の違いというものを教えてやるのも一興よ」


 ふはは、と笑い合い、ローレルを見据える。

 実は俺も、少し怒っている。ノアがただの猫だと言われたから。まぁイラっときたレベルなのだが。

 そんなことはさておき、いざ、尋常に勝負。


「勝負だユーリぃ!!」

「かかって来いやローレルぅ!!」


 ここに、戦いの火蓋が切って落とされた。


 ………なんでこうなったんだろう。




 ………ん?

 ローレル・“リンディア”?

 どこかで聞いたような………。いや、今はいい。決闘に集中しよう。

 りみっと・ぶれいく!!


 というわけで、感想がユーザー登録してない人でも書けるようになってるはずです。小説情報編集を見てたら感想の設定のところに『制限なし』ってのがあったので、チェックしときました。

 さて、本当に出来るんですかねぇ。

 とりあえずこれで少し様子を見たいと思います。


 んではまた次回。苦手な戦闘描写。なぜ戦ったし。


 ではでは~。

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