99.やることないからキモイ動きする
お読みいただきありがとうございます。
どんな動きでも弱点はあるよね
作戦会議中もだけど、その後の連携訓練中も妹達は楽しそうだった
家の技を使える妹達でも、ゲームに最適化された団員の動きは刺激になったみたいだね
余りに楽しくて私のことを忘れてるってことを除けば何の問題もないよ、妹の幸せが一番だから耐えれるよ
一応私にも仕事あるしね、連携訓練中の皆にモンスターが過剰に行かないように間引くって仕事が
妹達と団員のアライアンスが普通に戦えばモンスターの群れが押し寄せたとしても倒せるけど、今は連携に重点を置いて戦ってるから程よい数が行くようにしてるよ
元々100層ダンジョンを団員が入れ替わり入って攻略したからそこまで連携に問題はないんだよ、ただレベルが上がった妹達のスキルとかのすり合わせってっ感じだね
ドラゴン戦はじっくりと腰を据えてやるから、出来ること出来ない事の確認しないと変なミスを呼ぶからね
本番は戦い方自体は確立してるからさ、妹達がどこまでついていけるか見ものだね
「アヤちゃん暇だね~(*´Д`)」
「そこそこ強めのスキルも使ってるし、リポップするまではのんびりできるね」
「なにか私も出来そうな技あったら教えて、お礼は体で払うから(/・ω・)/」
「今手伝ってもらってる分で十分だから、追加でお礼はいらないよ。出来そうなことか~あぁそうだ家の歩法で変わったのあるからやってみる?」
「やった!前に教わったのは何となく出来るようになったから次教えてほしかったんだよね」
出来るようになったんだ、かなり難しいんだけどな縮地って
前にも教えてって言われたことがあって、縮地を教えたんだけど呼気を合わせて動かないと出来ないんだよ
ナギサは眼が特別だから、普通の人よりはできそうだけどね
「どんなの(((o(*゜▽゜*)o)))どんなの(((o(*゜▽゜*)o)))」
今も目の前で縮地を使いながらキャッキャしてる、表の人でここまで使える人はいないんじゃないかな?
「今回教えるのは浮雲って言う歩法だよ、ちょっと見ててね」
軽く実践してみせると、ナギサがさっきまでのテンションが嘘のような真顔で聞いてくる
「・・・アヤちゃんってリアルでもそれ出来るの?」
「え?うん、できるよ」
「歩き方で二重にブレて見えたり、見えなくなったり出来るっておかしいよ」
「我が家の流派がおかしいのは知ってるし、実際私も浮雲はゲームとかアニメの世界の動きって思うから真顔で言うのはやめてくれると嬉しいな」
「ファンタジーに両足突っ込んでるよね」
「き、気を取り直して原理を教えてくよ!」
浮雲は足運びも特殊なんだけど、体全体の使い方が普通と違うよ
例えば人込みを歩く時って、すれ違う人だったり近くの人の動きを予測するでしょ
重心の動きだったり過去の記憶からこういう動きかなってなるんだけど、それを狂わせることで脳に錯覚させて目からの情報との誤差を作るんだよ
重心は前に進むよな形にするけど、運足で後ろに進むって感じだね
ナギサは眼が良いから特に惑わされたみたいだよ、体全体の力の流れと進む方向が違うから脳がバグったみたい
「浮雲で相手を追い詰めたりすると、陸上でも船酔いみたいな感じに勝手になるよ。想定してない動きに処理が追い付かない感じだね」
「凄いねぇでもあんまり使ってるの見たことないけどなんで?」
「明確に弱点があるんだよね」
「教えて教えて(*^▽^*)」
「子供と歩きスマホと、集中してない相手に弱いよ」
移動速度自体は普通に歩くよりちょっと遅いくらいで、術中に嵌れば抜け出すの難しいんだけどね
子供が人にぶつかりやすかったりするじゃない?あれって動きの予測が出来てないからだよね、浮雲は予測させて罠にはめるから相性が悪いよ
歩きスマホはそもそもこっちを認識してもらわないと意味が無いからね
「最後の集中してない相手に弱いってどういうこと('Д')?」
「なんていうのかな、縮地が油断してる相手に一気に詰め寄って倒す技だとして、浮雲はこっちを襲撃者って認識してる人用の技なんだよね。だからぼーっとされて雑に認識されるとうまくいかないんだよ」
「使い分けが大事なんだね、わかった練習してみるね(*’▽’)」
「あ、最初はこっちだけで練習してね。リアルでやる時もかなりゆっくり動くようにしてよ」
普通の歩き方と全く違うから、慣れてないと体をすぐに痛めるんだよね
お母さんとの鍛錬中に全力でやろうとして、膝の靱帯終わるかと思ったもん