151.発射!
お読みいただきありがとうございます。
ランキング40位台に入ってました、ありがとうございます
何かでっかいのが近寄ってきてたんだけど、やっと何なのかわかったよ
アレはクジラだね、間違いないよだってオジサンがクジラって言ってたもん
デカすぎて他が目に入ってなかったけど、1キロくらいの大きさのクジラがちらほら見える
「アレはボスでよさそうだね、倒せそうならやっちゃう方が良いかな」
「単体だったら船事飲み込まれるだけどねぇ、雑魚処理はこっちでやるからボスは任せるよ」
「やるのは良いんだけどさ、どうやってあのでかクジラと戦う状態になればいいかな」
「そもそも船に突っ込んできてるからねぇ役割決めても木っ端微塵だねぇ」
「なんでお姉ちゃんとオジサンは落ち着いてるの!真っすぐすっごい速度でこっち来てるの慌てるの焦るの!」
「こういう時程落ち着かないとダメだよ、だってどうしようもないんだから」
「それ落ち着いてるんじゃないの、諦めてるのぉぉぉ」
こういう不測の事態に慣れてないスズは大慌てで叫んでるね
流石に今まで戦ってきた敵の中では最大だけど、体感としてそこまで強いと思えないんだよね
この辺は戦闘経験の差かな、相手を見ればソロで勝てるか集団でなら勝てるか判断できる
今回に関しては戦闘場所が悪すぎるよね、海上で海洋生物と戦うって無理筋だよね
蟹座がいれば何とでもできるんだろうけどさ
「取りあえずアヤちゃんを撃ちだすから何とかしてくれよ」
「お姉ちゃんを撃ちだすの?よくわかんないけどついてくの!」
スズがよくわからないままついてくるって言ってるけど、やめた方が良いと思うんだけどさ
オジサンがいるときに使う戦法なんだけど、人を撃ちだすんだよね弓で打ち出すのが矢じゃないとダメって概念が無いから
首根っこをオジサンに掴まれたと思ったら、もう撃ちだされてた
人の身だけで時速200キロで発射されるんだよ、絶叫マシーンとか目じゃないよね
しかもある程度こっちで方向を制御しないとダメなんだよ、手を広げるとか抵抗をつけてかないとダメなんだから
一部の人間しか使えない荒業だよ、ドンちゃんをよく突っ込ませてた気はしないでもないけどさ
「え、こんなのとか聞いてないの!ちょっと待ってほしいのぉぉぉぉぉっぉぉぉぉぉぉ」
うっかりついていくって言ったスズの絶叫が聞こえるけど、声かけてあげれない
風圧がすっごいんだよ、どれくらい凄いかって言うとHPがじりじり削れるくらい
クジラの口めがけて飛んでるけど、飛びながらふと閃いたんだけど
これ、口を閉じられたらやばくない?
「ぬおぉぉぉぉっと、あっぶない口閉じかけてたよ」
「ぴえぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええ」
「おっとスズ大丈夫、なかなかのげっきょうマシーン具合だったでしょ」
「あんなの聞いてないの、とんでもなかったの」
「あ、スズ明かりってある?」
「ふぇ?一応簡単な明かりは魔法で作れるの」
「よかった~このでっかいクジラ潜るつもりっぽいよ」
「潜るの?」
「そりゃ水面にいつまでもいないでしょ」
「どうやって帰るの?」
「気合かな?」
「待ってればよかったの、待ってればよかったのぉ」