149.避けれない汚いお話
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エアコンガコワレマシター
試しに試作の船に30人くらいで乗って沖合に出てみたんだけどさ、最初は皆で盛り上がってたんだよ
自分たちだけで大きな船で海に出るなんてしたことないからさ、イヤッフーッてな歓声上げながらノリノリで帆を弄ったりしてたんだけどね
暫くしてからはもうあれだよ、半分以上が海にリバースしてて危うく漂流しかけたよ
妹達も大丈夫そうだったんだけど、サチだけダメだったよ・・・
「ドンちゃん!船の機能を大幅に向上させないと海を渡るなんて無理だよ、シャワー付けてる場合じゃないよ!海水を真水にするとか超技術作ってる場合じゃないよ」
「アヤがそういったって出来ねぇもんは無理ってもんですわ。海水を真水にするのはリアルで研究されてるものをこっちに持ち込んで、魔法の力でゴリ押してるだけですの」
「じゃあ帆船やめて動力を何とかしてよ」
「イレブンを撃ち落とした誰かさんのせいでこの大陸の科学力は中世なってやがりますの、産業革命からじっくりやらねぇとダメにしやがってふぁっきんですわぁー」
「じゃあ魔法の力で船の揺れを減らすとかさ」
「リアルの科学力でも出来ねぇことを出来るわけねぇでしょ、魔法は万能であっても奇跡ではねぇんですわ。大体船旅なんてそんなもんだし、優雅に揺れを楽しんで2週間くらい海上で過ごしなさいな」
リバースしすぎて倒れ込んでるサチとセツナと、団員や他のギルドメンバーが使い物にならなくなったのでドンちゃんに相談したんだけど
返す刀でバッサリバサバサだったよ、倒れてた皆はもっと顔色悪くなってたよ
「でもこれじゃあ大陸渡れないでしょ、海上の期間を短くしないと人災で沈むよ?」
「魔法部隊で加速させて2週間ですわよ?他の大陸を全部敵に回しても良いんでしたら、ナギサの所に海を凍らせますわよ」
「真水作れるのにそんなところはアナログだし、外交問題どころかこの世界の環境大破壊が回答とかいやだよ」
「大体飛行機でも酔う人は酔いますの、吐かせとけば良いじゃねぇですの撒き餌ですわお魚さん爆釣れですわよ」
「あ・・・はい」
「乗ったらログアウトしてればいいよね?なんでそこまで面倒見てあげないといけないの?私忙しいんだよ今更なこと言ってこないでほしいな」
ドンちゃんは怒っていた
今更船酔いとか言いだす輩に怒っていた
当たり前に想像できる事態を想定してなくて怒ってる、物資のあれこれや船体の進捗を一手に管理してる上に安全な航路の確保まで任されてるドンちゃんがピキってきてる
素の方が出るくらいピキってる
「試作船で慣れるように頑張って来るね」
逃げるが勝ち、そう!これは兵法!!
そそくさと退散して、別のメンバーを連れて再び海に出たよ
「この辺はちょっと違う魚が釣れるねぇ」
「オジサンは平気そうでよかったよ」
「リアルでも釣り船とかに乗るからねぇ大型船だと揺れも少なくて問題ないさぁ」
「あ゛や゛ぁ~だづげてぇ」
「レイアはもうだめかもしれない」
「ぎぼじわるいよぉ゛」
「ほらほらレイアはいちゃおうね、我慢するからつらくなるんだよ」
「ぞんなすがだみぜたぐないぃ」
「こっちもダメそうだねぇ陸に打ち上げられた魚みたいになってるねぇ」
「・・・・・・・」
「く、クロちゃん!吐いてないけどなんか酷いことになってる!!」
「これくらいにして戻るとするかねぇ」
後日にドンちゃんとナギサと沖に出たけど、二人は平気だった
結構揺れてるのになんかバカンスオーラバリバリ出してた
ドンちゃんは普通に旅行で、ナギサは撮影で船上に長期でいたことがあるらしいよ
セレブって強いなぁって思ったよ