14.硬さは硬さだった
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ドンちゃんを倒そうと思うとまずは市場をめちゃくちゃにしないといけないのです
ドンちゃんに案内されてたどり着いたギルドハウスは、ギラギラのビカビカで目が痛くなっちゃうくらいだった、実際痛くなったよ
でも中に入るとまぁったく違って落ち着いた内装だった、外見もこうしてくれると良いんだけど
「何言ってやがりますの?そんな見た目だったら埋もれてしまって目立てないじゃない」
ドンちゃんのありがたいお言葉だったよ、有り難くないかもしれない・・・
応接室に案内されるのかと思ったら、闘技場?訓練場みたいなところに案内されたの
ギルメンがホワイトボードを持ってきてくれて、実戦有で説明する気だね
ドンちゃんがドヤァっとして説明を開始した
「いいですの、ざっくりと説明するとこの世界の法則はこうですの!
防御—攻撃=ダメージ
攻撃の超過分がダメージになるんですわ、防御力が高ければダメージ入りませんの」
妹達はふむふむとうなずいてる、可愛い!
「そんでもってですわね、スキルを使うとこうなりやがりますわ!
防御—(攻撃+(スキル基礎ダメージ×スキルレベル))=ダメージ
ほんでもって詳しく書くとこうですの
防御=VIT+防具性能
攻撃=STR+武器性能
ただしですわね、生身の部分を攻撃すれば大ダメージですわね
人型の種族は首を飛ばせばお終いですわ~」
妹達は目をキラキラさせてる、尊敬されてるドンちゃんが憎い!
「さらに硬さの概念が入るとこうなりますの
(防御×硬さ)—攻撃
ゴーレムなんかはこの恩恵がでかいんですわよ」
「はい、ドンちゃん先生質問」
「あらまぁー先生!良い響きですわ!せ・ん・せ・い!すんばらしいですわぁ」
「硬さが良く解らないです」
「答えちゃいますわよ。なんたってわたくし先生ですものね」
おのれドンちゃん!スズに先生って呼ばれてるズルいぞ!
「例えばですわね、木の棒で鉄は切れないですわよね?」
「姉さんなら割といける」
サチの発言に私は全力のドヤ顔をドンちゃんに決める
「あぁアヤはあれですの、規格外ですので無視ですの」
「確かに、姉さんで物事考えるとおかしくなる」
サチの発言に私は絶望しちゃう、ルーが慰めてくれてなければ意識を保ててなかった
「ようは一般的に考えて、鉄を思いっきりひっぱたいたら手がしびれるでしょう?この世界で言えば鉄の鎧に気で殴りかかっても、よくてへこむくらいですわね」
「思ったより普通に硬さの話だった!?」
「そしてわたくしのジョブである成金金牛は、ギルドの資産が有ればあるほど硬くなりますの。スズさんとサチさんでかかって来ると良いですわ~」
私の妹はかなりとってもバーサーカーなので、ドンちゃんが発言した瞬間にスズは抜き打ちで首にサチは上段から袈裟懸けに切りかかってた
私の教育がいけなかったのかなぁ・・・いや私は問題ない!お父さんと、主にお母さんの教育がいけないんだよ
そう!私は何も悪くない!
「あっと、現実逃避しちゃってたけど二人とも大丈夫?」
「お姉ちゃん・・・ドンちゃんさん硬いよぉ手が痛いよぉ」
「ふふ、姉さん見て。ほら、手首がぷらーんてしてる」
ひぇっサチの手首折れてるぅ
まぁでもうちの流派で鍛錬してたら、稀によくあるからね
ゲームの世界だし、強くなろうとしてる途中の怪我はお姉ちゃん的にセーフかな
「握りが甘かったのかな?スズを見習いなさい」
「うん、頑張る」
「一瞬で切りつけられて、折れた手の事を一切心配しない姉妹にわたくしビックリですわぁ。躊躇ってもんがありゃしねぇですわ」
「ゲームの中だしね、リアルだったら狂乱してる自信はあるね。流石にあの折れ方は不味いもん」
「やっぱりアヤはやべぇですわぁ」
成金金牛
高難易度クエスト突破後に付けるジョブ
派生先の一つであって、守護闘牛や狂乱猛牛も選べた
ドンちゃんはスキルを吟味する中で金融崩壊と高度急成長を見つけて選んだ
金融崩壊は資産を10分の1まで減らす代わりにこの世界でも最大級の一撃を放つ
高度急成長は資産の半分を消費してギルドメンバーに防御バフをつけることが出来る
仲間を守るためなら何でもできるいい子なのだ、だからギルメンからも慕われているのだ!