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108.ボキってよりもグシャ

お読みいただきありがとうございます。

リアルでもバイオレンスな暮らし

ゲームから脳への情報で妹達がボロボロになった日の鍛錬はやっぱり厳しかった、具体的に言うと涼音がガチ泣きして幸音が吐くくらいには厳しかった

妹達の鍛錬がここまで厳しいのはそうないからね、何時も厳しいのは私だけだよ

私はちょっと寝不足くらいで別に問題なかったんだけど、お母さんが技を伝授するって言いだしてね


「これわ~お母さんが作って~お父さんが名付けたわざなのよ~」

「わぁぉ私のお姉ちゃんかお兄ちゃんみたいなものだね」

「彩音、今の姉妹よりも物騒な兄姉を求めたらだめだ」

「お父さんがそこまで言う技なの!?あれ・・・私たち物騒な姉妹って言われてる?」


涼音と幸音を介抱してるお父さんからとんでもない発言が飛び出たよ、ちょっと一般の姉妹に比べて蛮族だったり山賊だったりするだけだもん

妹達はきゃわいいマイエンジェルだよ!


「はいは~い、それじゃ行くわよ~油断してると致命傷じゃすまないわよ~」

「致命傷じゃすまないって、それって上手く受けても致命傷ってことなの!物騒すぎるっt・・・消えた!?」


お母さんの気配が変わったので、軽口を言いつつも距離を取ろうとしたんだよ

完全に視界に収めてたはずなのに、気も抜いてないのに気が付いたら後ろに回り込まれてた


「これが椿よ~見えたかしら~?」

「原理も何も言わずにいきなり技を撃つんじゃない」


対応も何もない隙だらけの首元に鋭い一太刀が入りそうな瞬間お父さんが助けてくれた

お父さんいなかったら死んでたよこれ!


「いいか彩音、お母さんは時たま著しく頭が悪くなる」

「え、あ、うん」

「最初お母さんがこの技につけた名は、首ポトリだ」

「え?・・・お父さんその冗談面白くないよ、死にかけた私は流石に愛想笑いすらでないよ」

「事実だ」


お父さんの眼が真実だって言ってる、普段はホンワカしっかりなお母さんの変な部分を知っちゃったよ

お父さんいなければ家の流派に首ポトリって技が増えてたんだね


「それとな彩音」

「何お父さん」

「救急車を呼んでくれ、お父さんの腕は大変なことになってる」

「ふぇ?」


助けてくれたとは言え、お父さんはそんなに強いわけじゃないんだよ

もちろんその辺の人には負けないけどね、私よりちょっと弱いよ

そんなお父さんの手腕は、折れた骨が皮膚を破って突き出てた


「わわわわわ、救急車―!涼音は救急車呼んで、幸音は応急処置するから手伝ってー」

「間には入れたがこんなことになってしまった」

「お父さんいつもより饒舌だと思ったら、痛みで混乱してるこれぇ」

「あらあら~どうしましょう」

「犯人のお母さんも混乱してるぅ頑丈が取り柄の私もあんなの貰ってたら死んでるからね!」


死角から首に向かっての一太刀は普通に死ねる


「これこれ皆落ち着かんか、ワシが見ておるからちゃんとできることをせんか」


お祖父ちゃん頼りになる!

流石戦場に遊びに行くだけのことはあるよ


「しかし困ったのぅだれが飯を作るんじゃ?この腕ではしばらくは無理じゃろうて」


私たちは凍り付いた、常人の何倍も動く私たちのカロリーを一手に支えてくれていたお父さん

毎食ごとにとんでもない量なのに繊細な味付けを実現していたお父さん

お母さんや私だってもちろん人並みには作れるけど、人並み程度の腕だと量食べるのきついんだよ

美味しいからいっぱい食べれるんだよ、毎食食べるたびに〇味しんぼみたいなリアクションしてたんだから

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