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童話集

流れ星を作る少女のおはなし


 くらいよるのおそらを、きらきらとちいさなおほしさまたちがやさしくらす。


 そのおそらのなかを、ふわふわとおよくもたち。


 かぜながれてふわりふよふよとかたちをかえながら、くもたちがよるのおそらながれてゆくなか。ひとつだけ、かたちをかえないくもがあります。


 わたあめのように、ふんわりとしたくも


 そのくものうえには、一人ひとり少女しょうじょがいます。


 しろくてうつくしいつばさのはえた、かわいらしい少女しょうじょ


 その少女しょうじょがふわふわのくもに、ちいさなほしかたちをしたたねをぱらりぱらりとまいてゆきます。


 ちいさなほしかたちをしたたねをまくと、今度こんどはきらきらとしたほしつぶがはいっているとうめいなおみずを、じょうろからしゃわわと、くもにまいたたねたちにかけてゆきます。


 「おおきくなあれ。おおきくなあれ」


 と、少女しょうじょはいいながら、たねたちにおみずをかけてゆきます。


 すると、ぴょくりとくもからし、ぐんぐんとくきをのばしてゆきます。


 そしてつぼみができ、ぱちりとつぼみがはなひらきます。


 ほしかたちをしたたねは、ほしかたちをしたおはなかせました。


 少女しょうじょはそのほしかたちをしたおはなたちに呪文じゅもんをかけます。


 『ほしはなよ。ながれるほしとなり、人々(ひとびと)にちいさな幸運こううんさずけよ』


 少女しょうじょがそううと、ほしかたちをしたおはなはゆっくりとくもをはなれ、そして。



 ───────シャラン。


 ───────シャラン。


 ───────シャラララン。



 ほしかたちをしたおはなは、次々(つぎつぎ)とくらいよるのおそらながれてゆきます。


 あかあお黄色きいろ銀色ぎんいろ。それぞれいろいろないろはなちながら、よるのおそらながれます。


 ほしかたちをしたおはなながほしとなり、ちいさな幸運しあわせはこびながら、よるのおそらをシャランとながれます。

 


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― 新着の感想 ―
[良い点] 「冬童話2022」から拝読させていただきました。 とても優しく、綺麗なお話ありがとうございました。 シャラン。シャラン。シャララランという音の表記も良かったです。
[良い点] え、絵本書きてぇ~…っっ!!!!! お、オイラに、画力が、あったならぁぁぁ…っっっ!!!! ふぇぇぇん…っっっっ!!!!!!! タクトにゃんに、抱き♡♪ タクトにゃんの読み聞かせ… たまり…
[良い点] 美しい夜のひとときを切り取った絵画のようでした。(*´ー`*)
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