絶対に寝取られない為に!
ほぼ会話文で構成されています。苦手な方はご了承ください。
「なぁ、親友?」
「あぁ?なんだ?」
「実はな?こないだNTRモノ読んだんだわ」
「ぶっほぉぉぉ!おま、おまえ、馬鹿か?!」
「いや、違う。話を聞いてくれ」
「おう、まぁ、いいわ。お前、あれだもんな?NTRされそうな属性てんこ盛りな奴彼女だもんな?」
「うむ、俺は平々凡々野郎で、んで、幼馴染の世話焼きの学校1の美人、性格は非の打ちどころ無しに将来結婚しようもした事がある」
「うむ、数え役満だな。んで?あー、成る程?対策か?」
「そうだ。俺は彼女に相応しいか、常々考えさせられる。そして、こないだ、ヤリチン疑惑ありのイケメンに声をかけられてる場面に出くわしてな」
「いや、まじでテンプレだわな。うん」
「そして、好きな小説も似たような展開になってたんだわ。それさ?NTRタグ無いのにガチのNTRモノでさ、俺、めっちゃ怖くなって誰かに相談したかったんだ」
「ステルスマインって奴な。それで?」
「うん、俺、アイツがそうなったら何するか分からないから対策しようかと」
「ふーむ?それなら……、あぁ、そうだわ。どっかに書いてあったんだけど、性欲って、三大欲求の一つじゃん?女も性欲があるって奴」
「あー、うん、そこら辺は公開しないから」
「別に聞かねぇわ。知り合いのそっちの話なんて。で、どこまで話した?……、欲があるってとこまでか?そうそう、ある分かりやすい例あげてくれててな?食欲で例えてだんだわ」
「えーっと、……、つまり?」
「まず、NTRの王道は彼女の欲求不満。んで、これ、腹ペコでイライラしてる。彼は下手だからイライラは治らない。そこに現れる上手い男。彼は相変わらず」
「あぁ、成る程。腹が減ってるのに不味い料理買わされてるのか。ストレス半端ないな」
「そうそう、腹ペコな女の前で美味しそうなケーキを彼だけが食べられてキレない女はそういないわな。そこで、美味しいケーキをくれる人に狩られる」
「ふむ」
「つまり、彼女の性欲の欲求不満にした時点で天秤がかなり傾いてんだわ。人妻、不倫、ときたら、欲求不満がつくくらいだからな」
「おー、なるほど。さっきの話ふまえるとよくわかるわ。しかも、あれか?食べた事ない未知のケーキ出されるんだな」
「そそ、罪悪感というスパイスで悪い事してる時、特有の快感が傾いた天秤にどんと来るわけだ」
「ヤベェな。こっちはマイナス点分、向こうに得点入ってるのか」
「らしいぞ?んで、別れたらマイナス点は消えて通常評価に戻り、後悔するか性悪ルートになると」
「そういう事。つまり、こっち側のマイナスが高くなりやすいのが俺の彼女か」
「うむ、今までは幼馴染だから気にしなくても男女の仲になり小さなマイナス点が増えていく。むしろ、幼馴染だからこそ増えるとも言える」
「あー、『なんで気付かないの?!』が赤の他人ならマイナス5くらいでも俺ならマイナス30くらいになるんだな」
「うむ、お互いの評価が元々高いからマイナスになりやすいし、プラスしにくい」
「あれか?不良の猫の世話の逆バージョン?」
「おぉ、そいつはいい対比だな!……、話逸れてきたな。つまり、お互いにセ◯クステク磨けと言う話」
「お互いに?」
「おいおいおい、って、あー、お前知らんのか。お前の評価って、そこそこいいんだわ」
「えっ?俺、彼女持ちだよ?」
「逆、逆。あの幼馴染の恋人って事で評価が上がり、変な目で見ないから安心感あるし、お前、割と色んな人になんやかんやしてるだろ?」
「あー、相談されたり、ノート貸してとか言われたりするな」
「そそ、しかも、割と真剣に聞くからさ、男女問わず、割と好印象なんだと。幼馴染の熱狂的なファンとも普通に話すからファンの間でも彼なら仕方ないと納得してるらしい」
「めっちゃ初耳だわ」
「ただな?お前の真剣に聞く姿はある意味で危険だから気を付けろよ?」
「へっ?」
「あー、お前知らんか?ヤンデレとかメンヘラとかそういうのに恋される条件の一つに話を真剣に聞くがあるんだわ」
「ヤンデレとメンヘラは聞いた事あるけど良く知らないな」
「うむ、関わらないほうがいい。関わらなくても惚れられる可能性はあるが話を聞くだけで好感度爆上がりするから。そして、その二つと彼女持ちのお前が交わればバットエンド直行する」
「ひぇ、なんだそれ」
「どこまで現実で起こるかわからんがその二つはな?惚れた相手を運命の相手に認定して、そこから外れると何するかわからないんだ。幼馴染が刺されるかお前が刺されるか、他には監禁……は厳しいか。が、確実にストーカーにはなるだろうな」
「(ぶるぶるぶる)」
「まぁ、なんだ。幼馴染が寝取られる心配も大事だけど、お前も気をつけろと言いたいだけだ」
「おーらい、それの対策はまた今度にしよう。とりあえず、今日は寝取られ対策だ」
「おう、頑張れよ?」
ちなみに、後日、ツヤツヤの幼馴染とげっそりした彼が登校してきたのを生暖かい目で見る親友の姿があったそうな。
くっだらない会話と自分の考察とを悪魔合体させたらこんなんになりました。
脅迫対策は実はもうすでに完成しており、こんだけ円満なカップルを脅迫したら速攻で話がまわるんですね。お互いが周りに高評価ゆえ。