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賢者から怪盗に転職しました  作者: レオナールD
第2話 ゴブリンの秘宝
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「んっ、んっ、んっ・・・」


「ゴールドフェザースラッシュ!」


「【水方陣】!」


 集落へと突入した冒険者達は、ゴブリンに囲まれながらも奮戦していた。


「ちっ、くっ、キリがない! この僕が押されているなんて・・・!」


 先ほどまであんなに強気だった『金色』のリーダーも、休む間もなく襲いかかってくるゴブリンの群れに焦りの声を上げる。


「く、だから言ったじゃない! 撤退の準備を・・・」


「まだだ! この集落にはボスがいるはずだ! そいつを倒せば・・・」


 メルティナが忠告をするが、聞き分けのない子供のようにレオンは強引にゴブリンをかき分けて集落の奥へと進んでいく。


「くっ、仕方がない! リーダーに続くぞ!」


 黒鎧の冒険者が、『金色』のメンバーを引き連れてレオンの後を追う。


「私も・・・行く・・・」


「ちょ、ライム! しょうがないわね!」


『銀翼』の3人も、ライムを先頭に後に続いていく。

 集落の中心近くまで進んでいくと、そこではすでに『黄金』のパーティが激しい戦いを繰り広げていた。


「くっ・・・お前がゴブリンのボスだな!」


「ガッグッガ、にんげん、コロス。くって、ヤル!」


「笑止! 怪物ごときが人間の言葉を話すな! お前は僕が退治する!」


『金色』の冒険者達が戦っている相手は、ゴブリンにはとても見えない姿をしていた。

 2メートル近い小鬼らしからぬ巨体。冒険者から奪ったらしい大剣と鉄製の鎧を装備している。


「ゴブリンジェネラル・・・!」


 ライムが奥歯を噛みしめて、その名を呼ぶ。

 普段から感情を表に出さない少女が、今は珍しく興奮している。


「待ちなさい! ライム!」


 今にもゴブリンジェネラルに飛びかかろうとする少女の肩を、メルティナが掴んで押しとどめる。


「・・・離して」


「ダメよ! 今、あなたが割って入ったら、かえって邪魔になってしまう!」


「ライム! お願いだから、落ち着いてくださいな!」


「・・・・・・」


 メルティナだけではなく、カティもライムを押さえつける。

 レオンをはじめとした『金色』の冒険者パーティーは、苦戦をしながらも連携をとってジェネラルに立ち向かっている。こんな状況でライムが乱入したら、かえって連携が崩れて足を引っ張ってしまう。


「・・・わかった。あの人たちがやられたら、私が行く・・・」


「・・・いいわ。危なくなったらすぐに帰還アイテムを使うわよ」


「ん・・・」


 やや不満そうな様子であったが、ライムは頷いた。そんな少女を心配そうに見ながらも、メルティナとカティは周囲を警戒する。


 幸い、戦いの決着はすぐについた。


「くらえ! 最終奥義ファイナル・アルティメット・ゴールデンスラッシュ―――――!!」


 レオンが最上段から剣を振り下ろす。剣先から、レオンの全魔力が黄金の衝撃波となって放たれ、ゴブリンジェネラルを飲み込んだ。


「ガアアアアあああああああっ!!」


 ゴブリンジェネラルが身につけていた鎧が砕け、緑色の巨体が真っ二つに切り裂かれた。


「はあ、はあ、はあ・・・は、はははっ! どうだ、見たか! 僕の勝利だ! やはりゴブリンごとき、僕の手にかかれば・・・」


 レオンが喜びの声を上げるが、最後まで言い切ることは出来なかった。


「へぶっ!?」


「なっ!?」


 突然、丸太のようなものが飛んできてレオンの胴体にぶち当たる。金色の鎧を身につけた戦士は大きく吹き飛ばされる。


「オマエ、ふゆ、かい。コロス。クウ」


「ゴブリンジェネラル!? もう一体いたなんて!?」


 集落の奥から2体目のゴブリンジェネラルが現れ、冒険者達の前へと立ちふさがった。


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