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罰ゲーム


 夜、俺達は布団を横目にゲームをする。

小さなテーブルの上にはお酒におつまみ。

先輩も雅も俺もみんないい感じになってきた。


「俺、プロポーズします!」


「いいのか? まだ早くないか?」


「純平、その選択間違ってない? 本当にいいの?」


「いい。今がチャンスなんだ!」


 二人共俺を見ながら真剣な眼差しで見てくる。

俺の選択にミスはない!


――カラララララ


「はい、純平残念。また振られたね」


「くっそー! なんでここで奇数が出るんだよ! 確率二分の一だろ!」


「はははっ、純平これで何人目?」


 悔しい。ゲームでも俺は勝てないのか!


「じゃ、次は私ね」


――カラララララ


「あ、私もプロポーズタイムだ」


「振られろ!」


――カラララララ


「プロポーズ成功。結婚して、車に一人増やす」


「雅はちゃんとした人生を歩みそうだね。純平も早く結婚しなよ」


「出来たらしますよ! 次、先輩ですよ!」


 人生ゲームは面白い。

最終的に俺は借金まみれ、雅は億万長者になり、子供も三人。

先輩は普通の人生を歩んだ。

つまらん! 次だ、次のゲームだ!


「じゃ、今度はこれも使ってみようか」


 雅の取り出した黒いカードケース。

何だろう? トランプ?


「何それ?」


「この日の為に買った、罰ゲームカード」


 ほうほう、いいでしょう!

次は私が勝ってみせますよ!


「純平は次、何したい?」


 俺の選択はこれ一つ。


「これだな」


「花札?」


「おうよ。コイコイで勝負!」


 数分後……。


「勝った! 俺の勝ちだ!」


「残念、私の負けだねー」


「惜しかったね」


「じゃ、罰ゲームカードでも引こうかな」


 ふらふらしながら雅は黒いカードを一枚引く。

どんな罰ゲームの内容なんだろうか?


「……えっと、一番感じる所を暴露」


 ……えっと。

どう反応したらいいんでしょうか?


「雅?」


 真剣に悩んでいる雅。

あ、そこまで真剣に考えなくていいんですよ?

遊びですよ? 遊び?


「耳と首……」


 恥ずかしそうに小さな声でささやく雅。

俺と先輩はどう反応したらいいのか困る。

先輩、何か言ってくださいよ!


「次! 次のゲーム! 今度は私が勝つんだからっ!」


 そして、次のゲームで負けたのは先輩だった。


「やっぱり、これ引くの?」


「当たり前でしょ! 私だけ引くなんて無しだよ。ほら、武ちゃんも早く引いて!」


 渋々先輩はカードを引く。

今度はどんなことが書いてるんだろうか……。


「……今までの経験人数」


 ほう、先輩一体何人くらい泣かせてきたんですか!


「一人。雅だけだな」


 満足そうな先輩。

何だか悔しい。


「さ、次のゲームに行こうか」


 お酒も進み、だんだん頭が回らなくなってくる。

だが、楽しくてしょうがない。

いいホテルに泊まり、おいしいお酒を飲んで、ゲームをする。


「あ……」


「純平の負け! さ、カードを」


 負けてしまった。

一枚カードを引く。


「そーれ、引くぞぉー」


 カードを引く。

内容は……。


「好きな人にしてほしい事」


 好きな人にしてほしい事。

何だろう? 俺は何をしてもらいたい?


「純平は何して欲しいの? 膝枕?」


「雅。純平ならもっとすごい事言うぞ、きっと」


 二人がニヤニヤしながら俺を見てくる。

期待に応えな帰ればならない。


「……俺を好きにならないでほしい」


「え?」


 二人はキョトンとする。


「俺が好きな人には、俺を好きにならないで欲しいな。好きになったらいつか、嫌いになるかもしれないでしょ? だったら初めから好きにならないでほしいなって」

  

 何となく場がしらける。

変なこと言ったかな?


「さ、次のゲームにいこう!」


 罰ゲームで明かされるみんなの秘密。

先輩は彼女に縛ってほしい願望があったり、雅は少し露出っけがあるとか。

俺も昔の彼女としたプレイを暴露したし、混沌としたゲーム大会になった。


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