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鉢合わせ


 今日は旅行の打ち合わせで家に雅が来ている。

でもって、先輩は学校。

そろそろ先輩が来る予定の時間だけど、まだ来ない。


「先輩、遅いね」


「おかしいな、そろそろ来るはずなんだけど」


――ピンポーン


 お、やっと来た。

俺は玄関へ行き、鍵を開ける。


「いらっしゃーい。待ってましたよ――」


 だがしかし、目の前にいたのは先輩ではなく、成瀬さん。

あれ? なんでここにいるの?


「えっと、今大丈夫かな?」


 大丈夫? 平気? 雅がいるけど、いいよね?

多分仕事の話だし、特に問題ないよね?


 成瀬さんはスーパーの袋を持っており、何かしら買ってきたようだ。

何だろ? お弁当でも買ってきたのかな?


「いいよ、適当に上がって」


 成瀬さんは視線を足元に写し、雅の靴を見ている。


「彼女、来てるの?」


「彼女? いや俺彼女いないけど?」


「そう……」


 俺は部屋に戻り、自分のいた所に座る。

成瀬さんも部屋に入り、雅と成瀬さんが見つめ合っている。


 可愛い雅に美人の成瀬さん。

二人はなぜかお互いに微笑み、俺を見てくる。

え? なに? 今から何が起きるの?


「片岡さん、これ食材買ってきたんですけど、冷蔵庫に入れてもいいですか?」


 え? 何か買ってきたの?

お弁当とかじゃないの?


「何買ってきたんですか?」


「そこのスーパーでちょっと食材を。片岡さんに何か作ってあげようと思って……」


 あ、そうなんですか。悪いですね。


「適当に入れてていいけど、なんで?」


「教わってばかりだと、迷惑をかけるので、何か作ろうかなって。片岡さん一人暮らしだし、最近忙しいみたいなので、ご飯ちゃんと食べているか心配で……」


 あー、そんなに気をつかわなくてもいいですよ。

俺には必殺レンチンの魔法がありますから。


 弁当を買って、レンジに入れて『チン』。

ほら、一食出来上がり。


「純平、成瀬さんと……」


 いつもと違う表情。

雅のこんな表情は普段見ないな。

何を考えているんだろ?


「ち、違います! 私と片岡さんはそんな関係では……。そ、それよりも西川さん、彼氏がいるのに何してるんですか?」


「私ですか? ちょっと純平と旅行の相談を……」


 成瀬さんの手に持ったスーパーの袋が地面に落ちる。

そして、なぜか遠くを見始めた。


「片岡さんと、西川さんが旅行……」


 待って! 違います!

雅、言葉足りないよ!



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[気になる点] 雅って純平のことどう思ってるのかな
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