表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/108

ランド・オバリーの回想

期間が空いてしまい申し訳ございません!

 あと何回俺はここで夕日を見ることになるだろう?


 インヴィンシブル要塞の外壁に腰掛け、夕日に照らされ燃えるように赤く染まった荒野を眺める。世間ではクソみたいに言われてるアイアンラインも景色だけはそう悪いもんじゃない。


 俺はランド・オバリー中尉。アイアンライン警備隊に所属する軍人だ。


 一日の業務が終えてお気に入りの場所でひとり夕日を見ながら蒸留酒で喉を焼く。俺のささやかな楽しみだ。


 おいおい、寂しい奴とかいうなよ?


 確かに俺は結婚もしてなければ将来を誓い合うような相手もいない。剣と仕事が恋人の25歳だが、これでも王立修学院出のエリート仕官で、爵位持ちで、容姿もまぁ悪くない。それに剣の腕は警備隊一だと自負している。


 結婚相手なんて選り取り見取り。


 望めばどこにだって仕官できるし、王都で近衛騎士団に入ることだって可能だろう。


 それだけの腕も、キャリアも、伝手もある。


 その気になればな?


 それならなんでやらないのかって? 


 思った以上に、俺は軍の生活が性に合っていたからさ。


 地位も名誉も、嫁さんもいらない。


 面倒な事全部忘れて、命令に従い魔獣を倒す。後はたまにこうして酒が飲めれば、俺はもう十分だね。


 蒸留酒の入った瓶を夕日に掲げ、一口含む。景色と酒に浸る人生。悪くないだろ? そういうのも……




 A・L・G!!


 A・L・G!!


 俺達最果て警備隊!! 命知らずな馬鹿どもさ!!


 ゴブリン、ウルフを蹴散らして!!


 ドラゴン、デーモン追っ払う!!


 誰も俺らを見てやしない!!


 誰も俺らを褒めやしない!!


 寂しくはないさ!!


 怖くもないさ!!


 人知れず散った俺らの躯は、月に照らされ、星に祝福され、いつしか花に抱かれる。


 俺らは人にはモテないが、月も星も野原に咲く花達もみんなの俺らの虜なのさ。


 A・L・G!!


 A・L・G!!


 …………


 ……




 くそったれ! 男のダンディズムタイムを台無しにしやがって!


 見ると外壁の周囲を入隊したばかりの新兵共が走ってる。


 教官の後に続いて走りながら高らかに声を上げて歌うのは、最果て警備隊賛歌。こいつを新兵が歌いながら走るのは警備隊の恒例だ。


 それにしても、いつ聞いても酷い歌だ。誰が作ったかしらんが何が賛歌だよ?


 ざっと見た感じほとんどが10歳やそこらのガキだ。救いようのない運命を歌いながら走るのだから彼らの目は死んでいる、


 子供の夢を奪い、その心を傷つけた罪は特に重いってナントカ法で決まってるのを知らんのか?


「声が小さい!!」


 新兵共をどやしつけながら先頭を走るのは、鬼教官で有名な特務曹長だ。

 

 教官はカールのおっさんか。


 あいつらは運がいい。あのおっさんの指導なら初陣の生還率が上がる。乱暴で口も悪いが、腕は確かで面倒見も良いからな。


 俺は幸運な新兵共に目を向ける。これでも俺は一応将校だ。使えそうなのがいれば目星をつけておきたい。


 まず目につくのが、カールのおっさんの後ろを走る3人。男がひとりに女がふたり。いずれも10代前半といったところだが、他に比べて体力にも余裕がありそうだ。こいつらはおそらくこの近くに領地を持つ貴族の令息、ご令嬢だろう。


 この国の貴族男子には最低2年間の兵役の義務がある。地方貴族だと大抵10代半ばには結婚して身を固めてしまうから、その前に兵役を済ませてしまう場合が多いのだ。


 また、昔気質な地方貴族は女の子でも兵役経験の無い奴を信用しない。


 男が戦って死んだ後、残された女は降伏すれば助かるかっていうと、そんなわけがないからな。領地、領民、誇り、女だから放棄していいかってそんなわけないんだ。実際、兵役の義務が貴族男子のみになったのは20年くらい前からで、それより前は全ての貴族子女に兵役が科せられていた。


 そのため地方貴族に生まれた令嬢は男と同じように武芸を学び兵役を経験する。だがそのせいで、中央貴族に生まれた普通のご令嬢が地方の貴族家に嫁ぐと肩身の狭い思いをすることになるらしい。


 逆に地方貴族に婿入りした中央貴族のお坊ちゃんが、嫁さんにボコボコにされて泣いて実家に帰ったとか、割とよく聞く笑い話だ。


 こんなこと言うと、古臭い価値観に拘っている地方貴族ばかり悪く聞こえるが、中央の貴族に問題が無いわけじゃない。


 今の中央貴族は諸外国の貴族に習い、社交を重んじ自領の発展のために商売をしてと、領地経営は地方貴族より上手くやっている。それは正しい。


 だが、兵士としてはほとんど使えない。


 地方貴族の子弟は、幼いころから鍛えてるから体力もあるし、子供でも結構いい動きをする。あの3人みたいにな。


 だが中央貴族のお坊ちゃん達は酷いものだ。


 まず、連中は軍人のことを、当主にもなれず、官僚にもなれず、騎士として仕官もできない落ちこぼれがなるものと侮っている。


 まあ、実際それで軍人になった連中も多いから、間違っちゃいないんだが……それは置いておこう。


 とにかく、中央貴族のお坊ちゃんってのは、我儘で文句が多い。加護持ちなんて滅多にいない。体力も無く、肥満率も高い。それで見下してくるんだから、こっちはストレスが溜まってしょうがない。


 こういった連中を鍛え、少ないながらも給料まで与えて、身も心もシェイプアップさせて親もとへ送り返す。


 これも、軍人のお仕事……ってやってられんよな?


 今も最後尾をへろへろ走ってる少年。見た感じほかの連中より年上で、15、6歳くらいだろう。大方、王立修学院の受験に失敗して、仕官のあてもなく、実家から放り出されたってところか?


 中央貴族の子弟は、大抵王立修学院を目指す。王立修学院では兵科訓練が必修で、卒業すれば兵役を果たしたとみなされるから、中央貴族が入学資格を得る15歳までに兵役に入ることはまず無い。逆に言えば中央貴族で兵役に来る奴は、王立修学院の受験に落ちた奴ってことになる。


 因みに王立修学院の受験資格は15歳から18歳のうちに2回までだ。


 とはいえ流石にアイアンラインに来るのは珍しいな。大抵、王都守備隊あたりに行くものだが……士官学校の推薦狙いか?


 王立修学院に入れなかったからと言っても、まだチャンスが無いわけではない。連中が次に目指すのは軍の士官学校だ。といっても、軍人になる為ではなく箔付けの為に行くと言っていい。


 王立修学院卒業生は一等兵の階級を与えられて卒業する。だが、士官学校を出ていれば准尉の階級が与えられる。王立修学院の受験に落ちたことによる、劣等感を払拭できるし、仕官するにも有利になるだろう。


 もっとも、王立修学院でも望めば仕官教育を受けることは可能で、俺もそのクチだけどな。まあ、エリートの中でも更に狭き門を突破した者だけが進めるとだけ言っておこう。


 士官学校に入るには、当然試験もあるが、現場からの推薦枠で入学することも可能だ。推薦入学は本来、優秀な人材を引っ張り上げたいという軍側の為にある制度なのだが、勉強に自信のない連中の救済策になっている面があるのも否めない。


 王都守備隊は、基礎訓練と芋の皮むきだけで終わる。それに比べて、ここは容赦なく実働部隊として駆り出されるからな。実戦での働きが認められれば、士官学校への推薦も得られやすい。死ぬかもしれんがそのくらいの覚悟は見せなければ推薦なんて貰えるはずもない。


 少年よ、君はまだ若い。ここで腐らず努力して生き残れば、挽回のチャンスもあるだろう。頑張りたまえ。


 新人は10人。だが、ざっと見た感じ今回はハズレだ。


 いや、ハズレと言っても能無しぞろいかっていうとそんなことはない。割とできる奴が揃ってると思う。特に先頭の3人はかなり出来る。上手く育てて部下にしたいところだ。だが、奴らはおそらく2年の任期が終われば辞めて領地に帰っちまうだろう。貴族の生まれで軍人を目指すなら、最初から士官学校を受験するはずだからな。あの歳なら、兵卒として命を落としかねない現場に出るより、受験勉強を頑張った方が良い。


「ったく……」


 一通り見て俺は小さく舌打ちする。


 使えそうで、尚且つ軍に残りそうな奴がいない。そういった意味でハズレってわけだ。


 軍としてはできるだけ長く続きそうな奴を囲っておきたい。行き場のない連中。貧乏貴族の三男坊とか平民が狙い目だ。だが、出来る連中ならいいとこに仕官するし、国が平和だから平民から軍に入るの者は多くない。平民でも剣を振るいたいなら、軍人よりもフリーランサーか、騎士を目指すだろう。そっちの方が断然稼げるからな。例え軍に入っても、従軍経験というキャリアを得るとさっさとやめてしまうのがパターンだ。


 そんなわけで、軍は慢性的な指揮官不足が続いている。今は平和だからいいが、有事になったらやばい。軍の上層部は現在そういった危機感を感じている。


 賛歌を歌いながら若い連中が走っていく。


「くそったれ……」


 まあ、色々気に入らないが、一番気に入らなかったのが、連中の長く伸びた影法師を柄にもなく美しいと思ってしまったことだろう。


 柄じゃねえ……


 そんな中にひと際短い影が横切る。


「ん? なんだありゃ?」


 新人の中になんかやたら小さいのが混じっていた。


 あまりに小さかったので、今まで気が付かなかった。その子供はどう見ても他の連中よりずっと年下で、5~6歳くらいの女の子だ。


 おいおい。いくら何でも幼すぎだろう!?


「やべーな……」


 軍はそこまで人手がいないのか?


 なんとなくその子を目で追う。


 夕日を反射する金色の髪が気になった。


「エルドリア……?」


 似ている……


 7年前。最後まで好きだと言えなかったあいつに、その女の子はよく似ていた。



✤✤✤



 シーリア・ブレイウッド訓練生。6歳。


 魔獣に襲われて壊滅した村の生き残りを軍が拾って保護したらしい。


 気になって、直接話をしてみたが……


 そんなわけあるかっ!!


 読み書き計算ができて、受け答えもテーブルマナーも完璧な村娘が、その辺に落ちてるわけがないだろうがっ!?


 しかも6歳だぞ? ありえんわっ!!


 軍も誤魔化すならもう少しマシな設定考えろって話だな!!


 髪色といい顔立ちといい見れば見るほどあいつ……いや、あの方にそっくりだ。


 王立修学院を卒業と同時に第3王妃として王家に嫁いだエルドリア……様。


 だがもしシーリア・ブレイウッドがエルドリア……様の子供で、この国の王女だとすれば教養が高いのも納得がいく。


 だいたい、6歳の幼女を軍に放り込むなんて無茶を通せるのも王家くらいだろう。


 しかし、何故だ?


 軍人として、貴族の末席に連なる者としてはあってはならないことだが、人として、大人として王家に怒りを覚えずにはいられない。


 たった6歳の娘を何故軍に入れた? それも激務で知られるアイアンラインにだ。


 俺は自分の予想が間違っていることを期待して、バーテック領にいるエルウィンに出紙を書いた。エルウィンはバーテック辺境伯家の次期当主であいつ……エルドリア……様の弟だ。


 バーテック領は王都から遠いが、事情くらいは把握してるだろう。


 エルドリア……様に子共がいるなんて聞いたことがない。本来なら王家がらみの隠された事情を一介の軍人に教えられるはずないが、エルウィンは王立修学院の後輩で、散々面倒みてやった貸しがある。当時運動神経が壊滅的だったエルウィンが剣術で落第しなかったのは俺の指導の賜物だ。そういったわけでエルウィンは俺に頭が上がらない。

 

 それから1ヵ月の後、俺は司令官であるボルド提督に呼び出された。気持ち悪い笑みを浮かべた提督の手には一通の封書。開封された形跡があるが印はバーテックのものだ。エルウィンからの返事の手紙で間違いない。


 勝手に開けるなと言いたいところだが、ここは一応軍の要塞だ。外部との手紙は検閲されて当然だわな。


 問題は国家の機密を暴こうとした内容だが……


 提督の表情から察するに、どうやら怒られるわけではなさそうだ。周囲は人払いされていて拘束しようという意思も見られない。


 ボルド提督から直接手紙を渡されて中身を確認する。そこには俺の予想が当たっていたってことが記されていた。


 あの子の本当の名前はエリュシアリア・ミュウ・センチュリオン。王家の四女にしてエルドリア……様の娘で間違いないらしい。


 嘆息する俺に提督から大尉への昇進が告げられる。


「口封じですか?」

「まさか。正当な評価だよ。皆、君には期待しているんだ。幹部候補としてね」


 あからさまに嫌そうな顔をしてやったが、提督は俺の反応にしてやったりと笑みを浮かべる。


 これまで面倒事が嫌で昇進を断ってきたからな。辞めづらくなるし。


 だが今回は仕方がない。俺は昇進を受け入れる。意見するにしろ、護ってやるにしろ、シーリア・ブレイウッドに関わるならより上の立場が欲しいからだ。


 別に姫様だからじゃない。昔惚れてた女の娘だからな。目の届かないところで野垂れ死んだら夢見が悪い。


「エリュシアリア姫のことが気になるかね?」

「ええまあ、人並みには」

「つまり興味津々ということか」


 当たり障りなく答えたつもりだったが一本とられたな。なんせ王家が公表していないお姫様だ。そんな人物の話題に飛びつかない者の方が珍しいだろう。


 認めるのも癪だからここはポーカーフェイスで通させて貰おう。


「それで自分は何をすれば?」

「無論仕事だ。彼女が参加する実地訓練の指揮を君に頼みたい」


 なるほど。そのための昇進か。訓練中隊は歩兵、騎馬からなる混成部隊で100人程の規模になる。その指揮となると中尉では厳しい。


 俺は敬礼して答える。


「謹んでお断りします。6歳の少女が現場で耐えられるとは思えません。エリュシアリア姫は早々に王宮にお帰り頂くべきと考えます」


 シーリア・ブレイウッドは同期の中でも優秀だ。6歳にして加護持ち。座学では他の追随を許さず、王宮育ちの箱入りと思いきや、まるで町娘のように快活で根性もある。


 基礎訓練を終えて無事任官を果たしたシーリア・ブレイウッド二等兵は、今や同期のみならず他の連中からも可愛がられて、警備隊のマスコット的な立場だ。


 だが現場に出るにはあまりにも幼すぎる。


 加護があれば子供でも大人並みに戦えるが、それもある程度身体が出来上がる10歳くらいからだ。


 そもそも元となる筋力と体力がなければ強化したところでたかが知れている。それらは身体の成長と地道な訓練で時間をかけて身に着けるしかない。


 センチュリオン王国の剣術は、鋼の剣より遥かに重い、玄鋼の剣を用いるため、身体への負担が大きい。とても6歳の娘に教えられるようなもんじゃない。


 幼い体で無理をしても彼女のためにならない。そのくらい王家も軍もわかっているはずだろう?


 何故そんなにあの子の成長を急がせる?


「君の疑念はもっともだ。我々とて何も思わないわけではない」

「でしたら……」

「エリュシアリア姫の加護は救世級(メシアクラス)だ」


 なるほど。多少は理解した。救世級(メシアクラス)の加護の持ち主は他者の聖炎を3倍に引き上げることができる。ただでさえ強力な加護の力の更に3倍だ。その力はかつて何度も戦局を覆したという。


 だが30年前、聖女セイナを最後に、現在救世級(メシアクラス)の加護の持ち主は確認されていない。


 ハーベルがテロを恐れて公表していないという噂もあるが……


 もし本当に彼女が救世級(メシアクラス)ならば警備隊にとって大きな力になる。魔獣による犠牲を確実に減らすことができる。


 だが……


「まあ、だからと言って納得はできないだろうな」

「はい」


 当然だ。自分達が楽するために6歳児を戦わせろってのか? 情けなさすぎて、これまでに死んでいった仲間達に、あの世で合わせる顔がねぇだろうが。


「実際に見た方が早いだろうな。明日『プロミネンス砲』の試射が行われる。君の予定はこちらで空けておくから明日はそれに同行したまえ」

「『プロミネンス砲』?」

「うむ。さきほど私はエリュシアリア姫の加護が救世級と言ったがそれは正確ではない。本当は救世級(メシアクラス)ということになっているというのが正しい」

「どういうことです?」

「エリュシアリア姫の持つ加護は救世級(メシアクラス)の更に上位である可能性がある」

「は?」

 

 救世級(メシアクラス)より上位だと? そんなの聞いたこともない。そんな大層な加護持ちならハーベルで教育すればいいだろ? なんでこんな最果て警備隊にやってくるんだよ?


「『プロミネンス砲』はこれまでにない未知の魔法だ。相当な威力があるため運用法が確立し、危険性が払拭されるまで姫は王都に帰ることができん」

「つまり、俺達は危険物を押し付けられたってことですか?」

「それを言ってくれるな……」


 くそったれなことにその認識は正しかった。


 翌日『プロミネンス砲』の試射が行われた。場所は魔獣に襲われて放棄された廃村。


 同行者はボルド提督をはじめとした上層部の連中と俺を含めたわずかな護衛のみ。


 廃村は放っておくと魔獣や盗賊の根城になるからな。どの道撤去しなきゃならないため標的に選ばれたらしいが、村ひとつって明らかに的の大きさがおかしいだろ?


 元は100人以上の人間が暮らしていた村だ。そこそこの広さがある。


 廃村を前に小さな身体に不釣り合いな長剣を構えるシーリア・ブレイウッド。


 俺達は塹壕に身を隠してその様子を見守る。


 シーリア・ブレイウッドが剣を振り上げる。剣にまとわりつくように聖炎が上がる。


 熱い……なるほど熱が俺の心にまで伝わってくる。これが救世級の聖炎か。


 そして剣を振り下ろす。すると凄まじい光の暴風が放たれた。


 目に見えるものがすべて光に飲まれていく。これが『プロミネンス砲』か!?


 襲い来る光と熱波。やがて光が収まり、恐る恐る塹壕から顔を出すと発射地点でシーリア・ブレイウッドが倒れているのが見えた。


「救護班!!」


 急いで駆け寄った俺はシーリア・ブレイウッドの脈をとる。


 よかった。問題ない。


 着ていた衣服は全て消失していたが、彼女は気を失っているだけのようだ。


 俺は彼女の染みひとつ無い綺麗な身体に上着をかけて抱き上げる。


 それから周囲を見渡した。


 本当にこんな子供がやったっていうのか?


 腕の中で眠る小さな少女。だからこそこの光景が信じられない。


 シーリア・ブレイウッドが放った『プロミネンス砲』によって廃村は綺麗さっぱり消滅し、赤茶けた大地が広がっていた。

A・L・Gはアイアンラインガードの略です。酷い歌ですみません!


次回からフィンレへの旅が始まります。荷馬車に揺られてドナドナされるえりゅたんの旅が気になる方は是非ブックマークをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ