プロローグ
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雨が。降ってきた。
強くて、数が多い。そんな雨が。
雨は、まるで誰かの感情をそのまま表しているかのようだった。
そんな雨の中、一人だけ小さくできた山の上で佇む人影があった。
人影は白い髪をした、年若くまだ幼く見える男の人だった。
彼は雨の中、ずっと左手にギュッと握っていたものを手を開き黙って見つめている。
それは、髪を結う可愛らしいゴムだった。
ゴムは、彼が守ると誓った少女が着けていた物。
ゴムを見ていると、頭の中に『先輩!』と、そう呼ぶ少女の声が聞こえてくる。
最後にその声を聞いたのは、いつだっただろう? 最近聞いたばかりのはずの声が、ずいぶん昔のことのように感じられる。
『先輩、大丈夫です』
少女は彼に、元気をくれた。
『先輩には。私がいます』
少女は彼の、壮大な過去を受け入れてくれた。
『先輩。私は……私だけは先輩の味方です』
少女は、彼の味方だと言った。
『先輩の罪は、私も一生一緒に償います』
少女は、一緒に彼の罪を背負うと言ってくれた。
そして──
『だって、先輩は私の……私だけのヒーローじゃないですか』
少女は、彼を『ヒーロー』と呼んだ。
彼は右手のゴムをキツく握りしめ、それと同時に左手に握るナイフを握る力も強くなる。そんな中、彼は雨の降る暗い空を見上げ何かを呟いた。
「なぁ梨花……俺はこれから……どうしたらいいんだ?」
その、何かを乞うような呟きは、血塗られたアスファルトを叩く強い雨音によって消し去られた。
これからよろしくお願いします!
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