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URLから始まるデスゲーム!  作者: ねぎとろ
5章 ヒマワリは何処へ?

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82話 親友との戦い

 ───どうして俺は戦っているのだろう。


 仲間の為? でも何故? いつから俺は仲間の為に戦ってると思ってるんだ?


 ───なんで俺は親友を殺そうとしているんだ?


「クウガ! いい加減にしろ! まずは話し合ってからでもいいだろ!!」


 親友であるエンマの叫びが脳に響く。

 俺も話し合いをするべきだと思うんだ。


 だけど、俺の本能が止まらない。エンマを殺せと叫んでいる。


「話したら殺されんだよ……」


 違う。

 言いたいことはそんなんじゃない。


 なのに、どうして言葉が出ないんだ。


「どういうことだよ……意味わかんねえ……」


 エンマは喋りながら俺の攻撃を止めている。

 やっぱりエンマは強い。


 でも、前に何度か模擬戦をした時に唯一見つけた隙がある。


 そこを突けばエンマを殺せるだろう。


 あれ? なんで俺は今エンマを本当に殺そうと考えてたんだ?


「お前、そんなに泣きそうな顔しながら攻撃すんなよ……」


「……ごめん……エンマ。俺を……止めてくれ」


 ようやく分かった。

 俺は、いや、俺たちは洗脳されている。


 それも、多分仲間にだ。


 だから、俺はエンマに頼まないといけない。

 俺の洗脳は今も力を増している。

 もう俺はエンマを殺すことしか考えれなくなるだろう。


 その前に力使って頼まないといけなかったんだ。


 あぁ……もう、俺の意思は消えるのか……


 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼


 クウガは困惑していた。

 今までも何度かクウガとは模擬戦やらで剣を交えていた。


 だけど、今日のクウガはなにかを悩んだ様子で俺へと殺しに掛かっている。

 確かに、全力で攻撃してきているのは分かるが、何故か顔が泣いているのだ。


 まるで本心は攻撃したくないと言っているように。


「止めて、くれ?」


 突然クウガの攻撃が止み、一言俺へと向かって言ってきたのだ。

 これは、どういう意味をもってなのだろうか。


 体が言うことを聞かないから止めて欲しいのか、殺して欲しいのか、出来れば後者であって欲しくないが、もしもクウガが洗脳されているなら殺した方が良いのかもしれない。


「とりあえず、無力化させてもらうからな。本気でいくぞ!!」


 今は考えている暇なんてなかった。

 とりあえず、峰打ちで無力化する以外ないだろう。


 ただ、いくら俺がクウガより強かったからと言って、全力で殺しに来ている相手に対して峰打ちで戦うという中途半端な攻撃で勝てるのだろうか。


「……クウガ、強くなったな……」


 クウガの本気の剣を何度も受け止めた。

 俺の剣も何度も止められている。


 昔のクウガじゃ俺の攻撃を耐えるのは難しいだろう。

 だが、今じゃ俺と同等程度にはなっている。

 いや、むしろ俺よりも強くなっている可能性もある。


「殺す……殺して仲間を……」


 クウガはボソボソとずっと呟いている。


「剣技スキル!『ディレイ!!』」


 剣の刃をクウガに当てないため、峰でスキルを放つ。

 だが、この技は本来相手の動きを遅くするスキルだ。


 それも、傷口から徐々に遅くしていく。

 峰打ちだと元々ある古傷からなどしか効果がないから、気休め程度だろう。


「エンマァァァァァ!!」


 俺の剣技スキルに対し、クウガも剣技スキルで対抗してきた。

 ほとんど同じ威力の双方の攻撃は、お互いに相殺され意味をなくした。


「これ、峰だけで勝てるのか?」


 だが、さすがに刃を使うわけにはいかない。


 どうすれば良いのだろう。


 そんな事を考えながら必死に連撃を繰り返すが、俺の初撃の攻撃に対し、カウンターで決めてくる。

 それを躱し、俺が体のバネを使い横振りで剣を振るが、クウガはそれを腕で受け止め、俺へと剣を突き刺してきた。


 俺の攻撃が峰打ちだと分かっての行動だろう。理性は現在ないはずだから、本能で戦っているのだ。


「……ぐっ……いってぇ……」


 俺へと剣が刺さった直後に離脱したが、刺し傷はある。

 クウガの剣自体、相手へと深手を与えやすいように、傷自体を深くする仕様にしてあるのだ。

 その代わり、剣先は短く、剣自体もあまり大きいとは言えない、メリットとデメリットを兼ね備えた武器。


「止血……してる暇はねえよな……」


 あの時からさらに武器を強化したのか、俺のステータス異常は毒となっていた。

 このまま戦えばジリ貧になって死ぬのは俺だろう。


「光魔法Lv.7 『ライトニング・レイ!』」


 少し距離の離れたクウガへと俺は魔法を放つ。

 この魔法は自動的に相手を追尾して襲ってくれる魔法だ。


 その分威力は低いが、この魔法は追尾する数が多い。これを全て躱すか、追尾を逃れる、全てを無効化するには時間が少しは掛かるだろう。

 あくまで時間稼ぎだ。


「今のうちに解毒をしない……って、早いじゃねえか」


 ほんの数秒だった。

 俺が魔法を撃ち、3秒ほどでクウガはこちらへと来ていたのだ。

 体から煙が出てるのを見れば分かる通り、クウガは全てを受けてこちらへと走ったのだろう。


 俺に剣で戦えと言っているのか、近くへは来るが何故か攻撃はして来なかった。


「ははっ。やってやるよ。魔法なんて使わずに剣だけでお前を止めてやる」


 クウガに対し剣を抜き、横振りを繰り出す。

 だが、クウガも予想していたのか、俺の攻撃を受け流し、俺の体制を崩してきた。


 そこを突き、クウガが俺へとスキルを放つ。


「固有スキル 『サウザントスラッシュ!』」


 クウガの剣技スキルを間一髪で躱し、俺はクウガへとスキルを放った。


 クウガに俺のスキルを避ける手段は既になく、見事に直撃した。


 そして、俺のスキルが止まった時、クウガはその場に倒れ、気絶していた。


「はぁー……まじ危なかったなぁ……」


 俺はため息をつき、その場に倒れ込む。

 クウガが強くなっていたお陰で俺の体力も結構削られている。


 少し離れた所でシズクが魔法で戦っているのが見えるが、今の俺だと助けに行っても足でまといだろう。


 俺はただ座って見ていることしか出来なかった。

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