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URLから始まるデスゲーム!  作者: ねぎとろ
4章 堕天使のお気に入り

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74話 決死の覚悟

久々の更新な気がしますー!

 相手もダメージを受け、その場から動けずにいた。

 だから俺は自ら歩き出し、勝負を決めに行く。


 少しずつ、少しずつモンスターへと近づく。


 近くに寄るにつれて、俺の恐怖はでかくなっていた。

 いくら強がっても、怖いものは怖い。


 人間とほぼ同サイズのカマキリなのだ。


 その鎌の大きさも人間に恐怖を与えるには充分なものだろう。


 俺は今そんなモンスターに向かっている。


「やっぱ怖いなぁ……」


 近づくにつれ、殺意を感じる。

 俺の中で死ぬ予感すらしていた。

 そして、モンスターの鎌が俺へと届く距離になった時、モンスターは動きだした。


 と言っても、自由に足は動かせないようで、鎌を俺へと目掛けて振り下ろしてきたのだ。


「怖いけど、これしかねえからな……」


 俺を意を決して、自分の腕を自分自身を守るために差し出した。

 見事に突き刺さる鎌。

 痛みに悶えそうになりながらも、力を入れ、鎌を抜けなくする。


「やべえなこれ」


 声を出すのも辛いくらい痛かった。

 残りのHPもグングン減っていく。


 だけど、俺の足は止まらなかった。最大限近くにより、頭を狙うためだ。


 そんな時、モンスターは残されたもう片方の鎌を俺へと振り払うように横から迫らせた。


 もちろん、俺は自らの体で受け切る。

 これで、モンスターの攻撃手段はほとんどなくなった。

 それに加え、逃げようとしても既にモンスターは逃げれなかった。

 鎌は抜けないし、足はボロボロ。

 既に俺の最後の決め手の準備は整っていた。


「先に死ぬか?」


 俺の思いとは裏腹に、HPの減りは大きくなっていた。

 痛みは続き、ついにHPのバーは赤色まで突入する。

 あと3秒持つかどうかだろう。


「勝たなきゃ……」


 鎌は刺さり、血は噴出している。痛みで倒れそうになりながらも、震える手で剣を引き抜く。

 モンスターの攻撃を何度も耐え、剣先は折れてしまった、見るに堪えない剣だ。

 それでも、この状況では最強の武器だろう。


「間に合わねえ……か」


 俺のHPが残り1mm程度になった時、突然俺の脳内へと声が聞こえ、時間が止まった。


 ほんの一秒だけ時間が止まったのだ。


『称号.お気に入りの英雄を獲得しました』


 脳内に響く声に対し、俺は何を言っているのか分からなくなった。

 その声だけを聞くと、また時間は動き出し、体には痛みが走る。

 手は震え、剣を落としそうにもなる。


 だけど、不思議なことにHPだけは減らなかった。


「……まだ俺に戦わせてくれるのか」


 完全に死んだと思い、絶望していた俺の心に一筋の希望が見えた。

 希望が見えた時、自然と俺の手の震えは消え、痛みも消えた。


 物語の英雄が勇敢に戦った時のような気持ちに今俺はなっていると思う。

 実際には分からないが、きっと英雄も強敵と戦う時はこんな気分だったのだろう。


 オーラのようなものが俺を包み込む。


「おらぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」


 大声をあげながら、折れた剣をモンスターの頭へと突き刺す。

 体力がなくなるまで何度も突き刺す。


 頭は弱点のようで、モンスターのHPが0になった時、断末魔をあげながら光となり消えてしまった。


「はぁはぁ……勝った! 勝ったぞ!!……ってあれ?」


 足がフラフラし、俺はその場に倒れる。

 突然体を襲う痛み。

 HPは依然として、1mm程度のままだった。

 さっきまでの痛みが今来たのだろうか。


「エンマ! 大丈夫!?」


「しっかりして!!」


 二人の声が聞こえる。

 段々と意識も朦朧としだしていた。

 思うように口も動かず、脳も働かない。

 本格的に今回でダメかもしれない。


 土壇場で貰えた称号によって生き延びることが出来た。

 何度かこんな風に倒れたこともあった。


 だけど、今回だけは桁違いに死ぬ気がした。


 そして、俺は痛みを耐えるために目を閉じ、五感を止め、意識を落とした。


 次に目覚めた時、俺は真っ暗な夢の中だった。

皆様、これからもよろしくお願いします(´๑•ω•๑)

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