69話 ターゲットとなった日
今回短いですよー!
複製体から逃げた俺たちは、元いた場所に戻り、即刻街へと避難した。
もちろん、ルシフェルを介抱するためだ。こんなに弱っているルシフェルを助けないわけには行かなかったのだ。
攻略とか言っている暇ではない。
「私は……実験体じゃない……なんのために私を生んだの……ねぇ……やだよ……」
宿屋のベットに寝かされてもなお、苦しみながら呟くルシフェルに俺たちは言葉も失っていた。
「ちょっと、部屋の外で話があるんだ」
俺が口を開き、シズクとヒマワリを呼ぶ。
ひとまず宿屋ならばルシフェルを一人にしても問題はないだろう。
それに、俺達が話すのはドアの前だ。
「なぁ、多分、今回の殺人ギルドが抹消されたのはあの複製体って奴らの仕業だと思うんだ」
「複製体ってなによ」
「すまん。説明し忘れたな。さっき、エデンの塔で俺たちの前に飛んできたルシフェルに似た天使がいただろ?」
「うん。なんか、色もなくて、ルシフェルちゃんより感情がないようなよく分からない感じがした」
「そう。そいつが鑑定した結果、複製体だと分かったんだ。ということは、あいつらは多分複数いる。そして、俺達が逃げる間際にオリジナルを発見したと言っていたんだ」
「それは、つまり、私たちが狙われるってこと?」
「かもしれん。殺人ギルドが消されたように、俺たちも消される可能性があるわけだ。まぁその逆に、オリジナルが居るから不正行為を働いても襲われないっていう可能性もあるわけだが……」
俺達が話をしていると、おもむろにヒマワリが黙り込んだ。
そして、何かに気付いたヒマワリが扉の前にいた俺を無理やりどかそうとしてきたのだ。
「どうしたヒマワリ!」
「早く中に入らなきゃ! なにか来てる! ヒマワリちゃんが!」
「中は密室よ? 誰も来るわけないじゃない!」
「天使だよ? 空間転移とか出来るかもしれないじゃん!」
俺はその言葉にピンと来て、すぐさま中へと飛び込んだ。
そして、俺の視界に映ったのは衝撃的なものだった。
『作戦失敗……撤退する』
俺達が中に入った時、先程見た複製体がルシフェルの上に乗り、首を絞めようとしていたのだ。
俺達が入ったことにより、危機を感じたのかどこかへと消えたが、これでハッキリした事があった。
「俺たちは、これからも襲われる……」
ルシフェルというオリジナルの天使を仲間にした俺たちは、複製体に発見された。
オリジナルが居るからこの世界において有利に働くということはなく、俺たちはただルシフェルを排除しようとする複製体に襲われるという事になってしまったのだった。
短くてごめんなさい(´;ω;`)




