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URLから始まるデスゲーム!  作者: ねぎとろ
3章 記憶のない天使

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58話 待っていたのは……

 準備も完了した俺たちは、扉を開けるだけとなった。


「よし、それじゃ扉開けるぞ? 心の準備も出来たか?」


「えぇ。大丈夫よ」


「私はいつでもいいよー!」


 二人からの返答も貰い、俺は意を決して扉を開ける。

 重厚な扉で、一見重そうに見える。


 だが、このゲームにおいて、ボス部屋への扉だけは頑丈で重そうでも、実に簡単に開くのだ。

 それでボスかどうか判断するという事も出来る。


 ということを俺は最近知った。


 そんなことを考えているうちに、俺の手は扉を押して開けていた。


「あー。やっぱ中暗いなぁ……」


「どうせすぐ光がつくわよ」


「それよりも、光がついた途端に襲われないか怖いよねぇ……」


 ヒマワリは少しだけ暗闇が怖いのか、俺の服の袖をちょこんと摘みながら俺の傍に居る。

 反面シズクは何も動じることなく暗闇を歩いていた。


 そして、俺とヒマワリも歩き出した時、部屋の扉は大きな音を立てて閉まり、部屋に明かりは灯された。


 それと同時に、俺たちに警告が届く。


「この部屋、転移出来ないらしいぞ……」


 転移が出来ない。という事はつまり逃げることが許されないということだ。

 勝つか、死ぬか。どちらかというわけだ。


 もちろん、今までもエデンの塔で何度かはあったが、それは攻略人数の多さで補うことが出来た。

 だが、今回は違う。三人だ。


 ボスは強ければ死は免れない。


「ま、大丈夫よ。私たち三人も弱いわけではないし」


「そうそう!私たちなら余裕だよ! エンマが心配しすぎ何だって! 」


「そうか。ならいいんだが……」


 二人の言葉によって、転移出来ないという重みは軽減されたが、まだ肝心のボスが出て来ていなかった。


「ねぇ。二人とも。なんか視線みたいなの感じない?」


 シズクに言われて初めて分かったが、俺たちは誰か、いや、複数の者から見られていた。


「そうだな。たぶん、これがボスの能力というか、不意打ちを狙ってるんじゃないか?」


「でも、そうなるとボスが複数居るって事になるよ?」


 ヒマワリが首を傾げながら俺に聞くが、確かに、この視線の量だとボスは複数居ることとなる。


『侵入者を排除を排除しなさい』


 突如聞こえた、女の人の声。

 そして、その声に応えるかのように俺たちの前には何処から現れたのか、見知ったモンスターが現れていた。


「ははっ。視線ってそういう事かよ」


 俺たちの周りから続々と現れるのは人形の群れ。

 目は赤く光り、腕には武器を持っている。


 そして、そんな人形を操っているのは、指から糸を使っているモンスター。パペットドールだった。


「あそこで逃げたモンスターがまさかボスだったなんてね」


「エンマ。パペットドールをどうやって倒す? 前回と同じ感じにやってみた方が良いかしら?」


「そうだな。まだ明確な攻略方は分からないし、とりあえずは糸を切ってくれ。でも、問題が一つあるんだ」


「問題? 分かった! あれでしょ! 倒しても再生するやつ!」


「よく分かったなヒマワリ。その再生が厄介なんだ。何回まで再生出来るかもわからないし、あいつは再生の度に人形を増やす。再生出来ないくらい木っ端微塵にすれば良いのかもしれないが、今の俺ではあの大きさのモンスターを木っ端微塵に出来ない」


「それなら心配ないわ。ヒマワリちゃんがいるじゃない」


「ふぇ? 私?」


「そうか! 凍らせればいいんだな!」


「そうよ。凍らせれば、さすがにあいつも再生出来ないはずだわ」


「分かった! 私はとりあえず凍らせればいいってことだね!了解!」


「それじゃ、俺は周りの人形に応戦するから、糸を切るの任せたぞ。相手も一度やられた攻撃は躱すかもしれないから気を付けろよ」


「「はーい!(分かったわ!)」」


 俺たちが作戦を考えてくれるのを律儀に待っててくれたのか、俺達が動き出したと同時に数十を超える人形が動き出した。


 その人形からの攻撃をヒマワリとシズクに当たらないようにカバーしつつ、破壊していかなければならない。


「まずはこれだよな。聖騎士魔法Lv.2『セイントウォール!』」


 セイントウォールを3回発動し、ヒマワリとシズクの周りにバリアを張る。もちろん、二人が魔法を発動できるように、前方だけはバリアを張っていない。


「ありがとエンマ! それじゃ、とりあえず私はシズクを襲う人形を破壊するから、エンマはバリアの外をお願いね!」


「おうよ! シズクには糸切りを任せてるからな!」


「えぇ! こっちは任せなさい!」


 シズクの守りをヒマワリへと託した俺は二人に出来る限り近寄らせないように周りの人形へと単身で突撃したのだった。



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