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URLから始まるデスゲーム!  作者: ねぎとろ
3章 記憶のない天使
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44話 月明かりの中での戦闘

この小説の中に、作者本人の本名のキャラが実はおります……ぜひ当てて下さいね!

 陽が沈み、街の外は月明かりだけの真っ暗な空間が広がっていた。

 先の方は見えず、いくら月明かりがあるといえど、この状況で離れ離れになれば見失うということもあるだろう。


 そのくらい真っ暗なのだ。


「なぁ、本当にこの辺に出るのか?」


 俺達が向かってたどり着いた場所は、最も月明かりに照らされている場所。


 今日だけ照らされている可能性もあるが、周りに木々もなく、草原だけのこの空間に強いモンスターが現れるとは思っていなかった。


「あぁ。一応、前回はこの辺りに出たはずです……」


「待った。クウガさんの話は当たってるよ。ほら、あそこの影、なんか動いてるでしょ?」


 ヒマワリが指を指した場所は、月明かりに照らされ、不自然に揺れている影だった。


 まさか影から現れるモンスターとは思いにくい。

 なにせ、今まで一度もそんなモンスターとは出会っていないのだから。


「念の為、シズクは魔法の準備をしといてくれ。俺は守りの体制に入る。ヒマワリも攻撃魔法で、クウガは近接戦闘の準備を頼む」


 影から出てくるのがディラハンとは限らないが、あの動きは完全に何者かが出てくる感じだった。


 念には念を重ね、一応準備はしておく。

 あの距離からの攻撃を防ぐために、俺は聖騎士スキルを発動した。


「…………何故また戦闘を始めようとする……」


 影から聞こえたのは、渋いおっさんのような声。

 そして、俺が瞬きしたその瞬間に現れたのは、首なしの黒い馬に乗った人。


「争いはよくないものだ……だが、我は命を狙われたとなれば話は別。我が命を防ぐために戦うとしよう」


 どうやって喋っているのかは分からないが、独り言のように呟いている。


「三人とも待つんだ。あのモンスター。本当に敵なのか? 争いが良くないとか言ってるが……」


「それならなんでクルミを連れてったんだよ! モンスターなんてどうせ戦うことしか考えてねえんだ!」


 俺が止めようと思ったが、クウガの感情を止めることは出来なかった。

 シズクとヒマワリが魔法をやめようとしても、やはりパーティーの一人が攫われたショックはクウガの感情を高ぶらせてしまったのだろう。


 俺も同じ境遇になればその気持ちがわかるかもしれない。


「……やはり争いは始まってしまうのか……」


「クルミを返しやがれ!!」


 クウガがジャンプし、ディラハンの馬に乗っている本体? の首なしライダーを狙う。


「あの小娘か……あの小娘ならもう既に街で寝ているだろう。我は無害なものを殺す趣味はないのでな」


「…………なに!? それは本当か!」


 クウガは間一髪で剣を振るうのをやめ、そのまま着地する。


「一度街へと戻るが良い。貴様の仲間が待っているはずだ」


「それは本当の話だろうな? 本当に信じていいのか? お前はモンスターだぞ?」


 クウガは疑い深くモンスターを信じようとはしない。

 確かに、俺もサジタリウスがいなければモンスターは全てが悪だと思っていただろう。


「まぁいいさ。信じるかはお前次第だ」


「そこで待ってろ。街に見に行って、いなかったらお前を殺す」


「いくらでも待ってやろう」


 クウガは一応、街へと確認しに俺たちの前から走っていった。


 もちろん、俺たちはその場に残っている。

 そして、俺は疑問に思っていたことをディラハンへと訊ねた。


「───なぁ、なんで隠れてるんだ? クルミ」


 ディラハンの後ろに揺れる影。

 月明かりに照らされ、明らかにディラハンのものとは思えない影が存在していた。


「あはは。バレちゃったか。でもね、本当にこのモンスターは悪くないんだよ? 私がお願いしたの。クウガに嘘ついてって……」


「クルミちゃん。どうしてそんなこと……」


 ユウリと仲の良かったシズクが少し震えた声で聞く。

 確かに、俺もどうしてクウガを騙してまで隠れる必要があったのか分からない。


「それはちょっと言えないかな……それじゃ、ディラハンさん。ありがとうございます。私は少し遠くへと旅立ちます」


 クルミがディラハンに問いかけ、ディラハンから離れると、俺たちの言葉も聞かぬまま、また影へと入りどこかへ行ってしまった。


 残されたディラハンは微動だにすらしなかった。


「おい!! どこにもいねえじゃねえか!!!」


 怒声をあげながらクウガが戻ってくる。


 ディラハンへと怒りを露わにしながら向かってきて、その勢いのまま今度は剣で一太刀いれてしまった。


「……我、痛みは嫌いだ。先程までの洗脳されていた記憶はない……だが、貴様は敵とみなし、排除させてもらう」


 クウガに斬られ、ようやく喋り出したと思えば、どうやらディラハンはクルミに洗脳されていたらしい。


 どうやってモンスターに洗脳を掛けたのかはわからないが、やはりディラハンとは戦う運命ということが今分かった。


「シズク! ヒマワリ! 魔法の準──」


「───待ってくれ! 少しだけでいい。一人で戦わせてくれ。確かに、力を貸して欲しいとは言ったから、これは俺のわがままだ。だけど、やっぱりこいつとは一人で戦いたい。頼む……」


 クウガに頼まれて、俺は無言のまま二人の魔法を止めた。

 どうやら、シズクとヒマワリも今回は見届けるようだ。


「……お前が殺られそうになったら、さすがに助けさせてもらう。分かったな」


「あぁ。任せたぜ!」


 そう言って、クウガは剣を引き抜き、ディラハンへと構える。

 ディラハンは馬から降り、クウガの方を向いて、禍々しい槍を取り出して構えた。


「さぁ! クルミを返してもらおうか!」


 クウガが戦闘の火蓋を切り、月明かりに照らされた二人の戦いが始まった。

本名のキャラは……男キャラです!!


これって大きなヒントなのですぐに分かると思いますよー!( ̄∇ ̄*)ゞ

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