37話 時は進んで行く
一気に進めましたよ……ぺこりんこm(*_ _)m
無事に俺たちは街へと戻り、来る日も来る日もエデンの塔を登っていくという事をしていた。
ボスを見つけては、大人数で攻め、倒していく。
そんなことを続けて、今や俺たちは50層に到達しようとしていた。
既に経った時は数ヶ月。
それでも一年以内に50層までいけたのは運がいい方なのかもしれない。
その過程において、俺はもちろんシズクの事を前よりも好きになっていた。
ヒマワリとは、本当にあの時を最後に会っていない。
今どこにいるのかすら分からないが、前に一度ヒマワリらしき人を見た時、フードを被っていて良く見えなかったが、明らかに悪い人と居るのが見えてしまった。
「エンマ。ねぇ、そろそろ私達もパーティー名とか考えてみない?」
いまだにパーティーを二人で組んでいる俺達には、だいぶ多くの知り合いができていた。
やはり、ボスを倒すことにおいて、攻略ギルドの面々とはほとんど知り合いだった。ギルドの長を除いては。
そして、一つのパーティーとも一緒にエデンの塔を登るくらい仲が良くなっていた。そのパーティーの名は『四天王』というパーティーだ。
女が二人、男が二人の特殊なパーティーだ。
「ねぇ、話聞いてるの?」
「ん、あぁ。すまん。考え事してたわ。で、なんだって?」
「もう! パーティー名を決めようって言ってるの!」
「そんなのいるか? 俺は正直名前なんていらないんだが……」
「えー! だって、四天王の人たちも言ってたよ! 名前決めた方がなんかやる気が出るって!」
「ま、適当に決めていいよ。俺はどうでもいいし」
「なによそれ!!!」
こんな話をしているが、俺たちは今51層を攻略している。
平然と話を出来ているのも、俺たちのレベルが既に高いからだ。
この辺の敵ならば二人で瞬殺とまではいかなくても普通に倒すことは出来る。
強いことで心に余裕をもっているのだ。
「ん、そういえば、お前のステータス見ていいか?」
ふと思いつき、俺は自分のステータスとシズクのステータスを見てみる事にした。
前に一度見てから、随分と見ていないことに気づいたのだ。
そして、シズクに許可を取っているのも、一度鑑定をして盗み見しているのがバレたからというのもある。
それからは鑑定する時はシズクに許可をとっているのだ。
「別にいいわよ。その代わり、私にも見せてちょうだい。あ、もちろん貴方のステータスをね」
シズクの許可が降りたところで、俺は歩きながら鑑定を始める。
その間、シズクが出てくるモンスターと戦ってくれているが、余裕そうなので俺は鑑定を続ける事にした。
『ステータス』
名前:ヒイラギ エンマ
レベル:63
所持金:235000マニー
HP:521(+100)
MP:132
スタミナ:418
STR:364
VIT:352
DEX:267
AGI:319
INT:250
LUCK:200(+50)
CHARM:10
武器:黒魔の大剣
頭:
胴:防魔の鎧
腕:煉獄のガントレット
腰:
足:煉獄のブーツ
アクセサリー:星空のネックレス
スキル: 【六大魔法Lv.7】【サウザントスラッシュ】【剣技Lv.8】【聖騎士Lv.3】【暗黒騎士Lv.2】【鑑定Lv.10】【感知ガード】【気配察知】【英雄憑依】
称号: 光と闇を持つ者
能力振り分けポイント:0
使用可能スキルポイント:0
取得可能スキル:【テレパシー】【ブレインコントロール】【死魔法】【天体魔法】
『ステータス』
名前:キリガサキ シズク
レベル:62
所持金:324000マニー
HP:317(+70)
MP:684
スタミナ:300(+30)
STR:156
VIT:230
DEX:268
AGI:327
INT:519(+60)
LUCK:321
CHARM:500
武器:大天使の槍杖
頭:悪魔の角
胴:漆黒のローブ
腕:天の腕輪
腰:
足:暗闇のロングブーツ
アクセサリー:魔力の腕輪 生命のネックレス
スキル: 【四大魔法Lv.10】【魔法破壊】【魔力増大】【自動MP回復】【二連魔法】
称号: 四大魔法を極めし者
能力振り分けポイント:0
使用可能スキルポイント:0
取得可能スキル:【光魔法】【闇魔法】【魅了魔法】【三連魔法】
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俺はシズクにもステータスを見せ、お互いに話し合っていた。
「あんた、ほんとに強くなったわね。私よりもやっぱりレベル高いし……」
「いや、お前の四大魔法Lv.10のがやべえよ。正直、お前に遠距離から攻撃されたら勝てる気しないもん」
「そっかぁ。ま、私もステータス見れたし満足かな! それよりも、ここら辺の敵ってどのくらいの強さなの?」
「はいはい。今度敵が出たら調べますよっと」
シズクに適当に返答しつつ、俺はステータスについて考えていた。
所持金は増えて、ステータスも上がっている。スキルだって豊富だし、何一つ不満はない。
だが、俺の取得可能スキルにある、【ブレインコントロール】これが問題だった。
最近この世界では、洗脳やらで死ぬ人が多い。
戦闘よりも多いんだから、被害数は相当なものだろう。
殺人というものは、確かにこの世界でもできるが、それ相応のペナルティがある。
そして、もちろん、この世界にも殺人ギルドというものは存在していた。
俺は殺人ギルドの名前と、殺人ギルドが首筋に描いているという紋章の形を知っていた。
「エンマ!! 後ろから魔法反応!!」
シズクの声に俺はいち早く反応し、横へと跳ねる。
俺が元いた位置には、地面から氷の槍が突き出ていた。
そして、それは誰かが故意的に魔法を使ったという証拠だった。俺を狙って。
「いやー、お見事お見事。まさか、私の魔法が躱されるなんて思わなかったよ」
拍手の音ともに現れたのは、長身の明らかに悪そうな男と、フードを深く被り、顔を見えなくしている小柄な人。
確かに、今の魔法は威力が高く、スピードも早い。シズクがいなければ当たっていただろう。
エデンの塔では、プレイヤーへの攻撃も可能となっている。
つまり、その気になればプレイヤーを殺せるというわけだ。
だが、殺した者にはペナルティが通常よりも多く発生する。
ペナルティの内容については知らないが、噂では自ら死にたいと思う程らしい。
「危ないだろうが。お前ら、どこのギルドだ」
「はっはっは。まぁ答えてあげましょう。私たちのギルドは『笑うピエロ』ですよ」
俺はその名前を聞いて、自分の記憶を探った。
だが、答えが出る前にシズクから小さな声で耳打ちされた。
「……エンマ。あのギルド、殺人ギルドの一つだよ。それも、有名なギルド。個人の強さもあるとかで相当危ないけど、どうする?」
やはり、殺人ギルドの一つだった。
ここで俺が対抗してこの人を殺せば、やはり俺にもペナルティが生じる。
俺達に出来る結論は一つだけだった。
「シズク! 逃げるぞ!!」
「えぇ!!」
「殺ってしまいなさい」
「了解しました」
俺達が背中を見せ、逃げる素振りを見せると、フードを被った人が魔法を溜め始めた。
少し振り返り見ると、鑑定をしてみると、魔力はシズクとほぼ同等だった。
これは非常にまずい。高威力の魔法を後ろから放たれれば俺達に命はないのかもしれない。
だが、時は既に遅かった。
「煉獄魔法Lv.5 【インフェルノ】」
「自らの力を持って守りたまえ! 聖騎士スキルLv.2【セイントガード!!】」
俺は立ち止まり、フードの人から放たれた魔法に自分の覚えている防御のスキルを発動する。
広範囲に広げられた盾は魔法の威力を弱めたが、弾くことしか出来なかった。
そして、弾かれた魔法は俺たちの行こうとしていた道に当たり、その道は崩れた。
「くっくっく。これであなた達は逃げれませんねぇ……」
逃げ道を失った俺とシズク。
殺人ギルドを前にこちらは殺せないという制限があるいま、どうすれば良いのだろうか。
突然進んでアレかもしれませんが、このままいくと進みが遅くてというか、初めからこういう展開の予定でした!(素直)




