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URLから始まるデスゲーム!  作者: ねぎとろ
2章 願っていたもう一度

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32話 英雄憑依

 光が部屋を包み込み、数秒経った時、光は消えてしまった。

 その部屋にいたのは、巨大な宝箱のモンスターと、全身鎧を着た俺、それに加えて今にも倒れそうなシズクだった。


「おお。これがスキルの力か!」


 敵を前にしながらも、明らかに強くなっている自分の力に俺は驚いていた。


 もちろん、驚いていたのは俺だけではない。

 これだけの力差がありながらも、敵対心を剥き出しにしてモンスターを見た俺にモンスター自身が驚いてしまっていた。


 シズクは疲れてしまったのか、HPが少なく、痛みを和らげたいのか分からないが、今は意識を落とし、眠ってしまっていた。


「ステータスオープン」



『ステータス』


  名前:ヒイラギ エンマ 【ジークフリート憑依】

 レベル:???

  所持金:


 HP:1350

 MP:620

 スタミナ:1230

 STR:1940

 VIT:1024

 DEX:1125

 AGI:1115

 INT:843

 LUCK:20

 CHARM:0


 武器:竜殺しの大剣

 頭:竜殺しの兜

 胴:竜殺しの甲冑

 腕:

 腰:

 足:


  アクセサリー:


   スキル:


  称号:


 能力振り分けポイント:


  使用可能スキルポイント:


 取得可能スキル:


「嘘だろ……」


 俺の思っていた以上のステータスだった。

 基本的に全て1000を超え、モンスターなんか目じゃない位の強さだ。


 俺がステータスを見ているうちに、モンスターは我に返ったのか、俺を殺しに攻撃を繰り出してきた。


 俺のステータスが高くなっていたからなのか、モンスターの攻撃は俺にとって遅く見えていた。

 もちろん、遅い攻撃なら躱すのも、弾くのも容易い。


「はっ、そんな攻撃効くか!」


 いつの間にか変わっている自分の剣を振り、相手の遠距離攻撃である、舌を切り落とす。

 大剣ということもあって、使い勝手は未だ良くないが、切り落とす位は容易にできた。


「グギャァァぁぁぁ」


 声にならないような叫び声をあげるモンスター。

 俺は一気に接近するが、距離があったせいか、モンスターの更なる攻撃を受けてしまう。


「くっそ、これ、魔法か……」


 先程見た、このモンスターには死魔法という謎の魔法があった。

 現在の俺は、魔法のような力でHPを吸収されている。

 多分だが、これは死魔法だろう。

 そして、俺から吸収したHPをモンスターは回復に当て、俺が切り落とした筈の舌さえも復活させていた。


 モンスターがHPを全回復した時、ようやく魔法から解き放たれた俺は自分の唯一無二のスキルを発動しようと試みた。


「もうこれしかないよな……」


 このスキルがどの程度の威力なのかは分からない。

 だが、今は何よりも早く決着をつけなければならなかった。

 シズクの体力も少なく、俺が時間をかけて戦えば、シズクがモンスターの標的となって死ぬかもしれない。


「竜殺しの代償……」


 言葉を唱え、スキルを発動可能状態へと移行する。

 俺に憑依しているのは、竜殺しの英雄、ジークフリートだ。

 スキル名はバルムンク。ジークフリートの竜殺しの大剣の技だろう。


「バル……ムンク!!!」


 体から力というものを解き放ち、剣に纏っていた黒いオーラをビームのように飛ばす。いや、ビームというよりも、広範囲の衝撃波のようなものだった。


 見事にモンスターに直撃したが、スキルの威力が高く、今の俺がいる場所、シズクが寝ている場所にすら爆風が飛んでくるほどだった。


 バルムンクが高威力すぎたのが影響なのか、隠し部屋自体が崩れ去ろうとしていた。


 俺は咄嗟にシズクを抱き抱え、部屋から出た。

 振り返り、モンスターを確認すると、その場には何もなく、ただ天井から崩れさり、埋まっていく部屋だけが俺の視界に入った。


「はぁはぁ……やべえなこれ……」


 一回のスキルで力を使い果たした俺は、英雄憑依というスキルが解けてしまい、普通の人間へと戻った。


 明らかに体は重く、HPすらも赤ゲージだった。


「とりあえず、シズクを回復させるか……」


 重い体を無理やり動かし、アイテムを使ってシズクを回復させる。

 ステータスのダウンが相当なものと分かったのは今この時だった。

 回復薬であるアイテムですら、俺は持つのが大変なのだ。

 それほどまでのステータスダウン。これは、英雄憑依という技を何度でも使えないようにするための仕様だろう。


「はぁはぁ……これで、大丈夫だよ……な」


 力を使い果たし、疲労が蓄積した俺は、フラフラになりながらもその場で寝転び、少しの休みを取ることにした。

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