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URLから始まるデスゲーム!  作者: ねぎとろ
2章 願っていたもう一度

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30話 エデンの塔攻略開始

 日が昇る少し前。俺の目は覚めた。

 以前の意識を失いかけた時のような夢はなかったが、早起きして見える街の景色は中々にいいものだった。


 人はいなく、鳥のさえずりだけが聞こえる朝。

 朝日が昇る瞬間も見ることが出来て朝から幸せだった。


「うーん……よし! 支度するか!」


「……おはよ……エンマ、今日は早いわね……」


 目を擦りながら、シズクが目を覚ます。

 まだ眠いのか、少しだけ機嫌が悪そうにも見えてしまう。


「ん、あぁ。まぁ、昨日は早く寝たしな。これくらい早く起きるのが普通だろ」


「そう? 私はもうちょっと寝たいわ。まぁ、起きるけど」


 一体どっちなんだろうか。

 別にまだ攻略しないし寝てもいいと思うが、いま口出ししたら怒ってきそうだし、俺は黙っておく事にした。


「とりあえず俺は支度するわ」


「私もするわ」


 二人で支度をし、朝ごはんを宿で食べ、宿屋を出た。

 既に人もだいぶ歩いており、街は賑わっていた。


「さてと、エデンの塔、行きますか!」


 初めてのエデンの塔に少しだけドキドキしながら俺達は向かう。

 街を出て、西側に少し進んだ先にある塔だ。

 間近で見ると、東京タワーよりもデカいのが目に見えて分かる。


「ほぇー。これがエデンの塔か。まだこれが5層までしか行けないんだろ? どのくらい強いんだろ……」


「案外私たちでも余裕だったりしてね? ま、私がさっさと6層まで進めてあげるわ。日本に帰るためにもね」


「はは。さすがにそんな簡単には進めんだろ。5層見つかってから結構経ってんのに、まだなんの情報もない訳だしな」


 雑談を少ししながら、俺とシズクはエデンの塔へと入っていく。

 事前に入口にいたプレイヤーから無料で配布されているエデンの塔のマップデータを受け取り、ワープゲートへと乗った。

 どうやら、ワープゲートによって行きたい層へと行けるらしい。もちろん、クリアされている層と、攻略中の層の入口だけだが。


 もちろん、5層へとワープした俺達は、ひとまずモンスターの危険がないことを確認し、足を踏み入れる。


「これがエデンの塔の中か」


 辺りは光が少ない故に暗く、いかにもモンスターが現れそうな空間は塔というよりもダンジョンに似ていた。

 全ての層がこんな感じなのだろうか。

 疑問は深まる。


「とりあえず進みましょ。今回はアイテムもあるし、どうやら転移石も普通に使えるみたいだし大丈夫でしょう」


 転移石は通常、敵と戦っている時以外は使える。

 だが、極たまに転移石使用不可エリアなどが存在するのだ。

 今回はどうやら普通に使えるらしいので安心だ。


「そうだな。モンスターの強さもわからないし進むしかないな」


 と、そんな時ワープゲートから新しい人が続々と入ってきた。

 みんな同じ格好をした人達だ。


「こちらエデンの塔攻略ギルド『ヘヴンズゲート』である。道を通してもらおう」


 隊長格の大柄な男が俺たちに話し掛け、その場からどくように言われた。

 俺とシズクはギルドの通り道を作り、歩いていく姿を見ていた。


「攻略ギルド……か」


 エデンの塔攻略ギルドはこの世界でも有名なギルドの一つだった。

 最も大人数のプレイヤーが集まり、エデンの塔の攻略のみを目指したギルドだ。

 ちなみに、4層をクリアしたのはこのギルドという噂がある。

 その時はまだエデンの塔なんて名前はなかったはずだが、何故だろうか。


「ほら、エンマ!ボサッとしないの! 私達も行くよ!」


「あ、うん。すまん。それで、どっちの道行く?」


 俺の前に広がるのは、二つの道だった。片方は、攻略ギルドが通った道だ。

 もちろん、俺が通りたいのはまだ攻略ギルドが通っていない道。

 と言っても、5層が解放されてから結構な人が入ってるわけだからここを通ったところでボス部屋が見つかるとは思えない。


「そうね。攻略ギルドとは別方向に行きましょ。あの人たち、私のことをジッと見つめて気持ち悪かったわ」


 俺は気付かなかったが、どうやら攻略ギルドの人たちはシズクを見ていたらしい。

 まぁ、美人だから仕方ないとは言えるけど、大人数に見られたら気持ち悪いのは分からなくもない。


 結局、俺達は攻略ギルドとは別の方を進むことにした。


「ねぇねぇ。この壁なんか怪しくない?」


 適当に適当に道を突き進み、なんどか曲がったりしているうちに、一つだけ変な壁があるのをシズクが見つけた。

 確かに、言われてみれば周りがゴツゴツした茶色の壁の中、一つだけ色が微妙に薄い壁だった。それに気付いたシズクの洞察力は中々のものだろう。


「んじゃ、ちょっと離れてくれ。攻撃してみるわ」


「えぇ。任せたわ」


 シズクが離れたのを確認した俺は、少し力を込めて拳を繰り出した。


 案の定壁は崩れ、俺達が見たのは広い空間のある部屋だった。

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