ブクマ30件記念 日本での俺のお話
今回は、全くストーリーには関係ないかな?
いつも通りの朝。
太陽の光では一切起きず、妹の声によって目覚める俺。
そして、いつも通り支度をする。
妹が先に家を出て、俺が後。
ほんと何も変わらない、いつも通りの日常だ。
「俺も学校行くかぁ……」
家から少し離れた所にある高校に通っていた俺は、毎度毎度行くのがとてもめんどくさかった。
ただでさえ、勉強やらでめんどくさいのに、遠いともなると行きたくなくなるのはもはや必然だろう。
とは言っても、根は真面目な俺は結局の所、学校に行く事にした。
決して怒られるのが怖いとかそういうのではない。
俺が真面目だからだ。
外を歩き、太陽の光を体に浴びる。
なんとなくエネルギーの補給をしたような感じがして、少しだけ体が軽くなった気がした。
学校への道のりは、大して車通りもなく、学生が多かった。
だが、俺に話しかける者などいない。
これは、俺自身が相手を拒否してしまったからだろう。
どうにも学生のノリというか、そもそも、大人数で喋ったりすることが無駄な気がして嫌いなのだ。
そのため、俺には友達というのが最も少ない。
「はぁ……トラックに轢かれて異世界とか行けないかなぁ……」
ため息混じりに呟くが、そんなこと起きるわけもない。
最近読んだ小説や、ライトノベル、そして、ネットに無料で投稿されている小説を見れば、誰しも、いや、大多数の人は異世界に行きたいと思うだろう。もちろん、チートやハーレムがあるという前提での話だ。
「なーにため息ついてんだ! 幸せ逃げるぞ〜?」
俺の後ろから頭をポンっと叩く人物が現れた。
俺の唯一の親友とも言える人だ。
軽く見積もっても、俺の友達は手で数えれるほど。
その中で親友ともなればもちろん、1人だけ。
「いやな、異世界やらデスゲームに行きてえなって思ってさ」
まるで中学生が言いそうな言葉を俺は親友に話していた。
それもそうだろう。異世界やらデスゲーム、ファンタジーな世界は大抵、中学生が魔法やら剣に憧れて一時的に行きたいと思うだけのものだ。
そして、そんなもの誰かの想像で作られた物に過ぎず、行けるなんて思いもしない。
だが、こんないつも通りの日常を送っているとどうにも行きたいと思ってしまうのは俺の中で矛盾しているからだろう。
「ふーん。異世界……か。ま、いいんじゃない? 私も行けることなら行ってみたいし、もちろん、魔法やらで人と戦うのも楽しそうだしね」
「お前、ほんとに女か? 戦闘狂とかキモすぎるぞ。むしろ、俺以外だったら引かれてるぞ?」
「戦闘狂じゃないし。もういいよ。先行くから。エンマが変な話振るから悪いんだからね」
「はいはい。どんどん行け行け」
俺は手をひらひらさせ親友を先に行かせる。
先程も言ったかもしれないが、俺の親友は何故か女子だ。
と言っても、俺が一番親しいから親友と呼んでいるだけで相手が俺を親友と思っているかは分かるはずもない。
まぁ、こんなの分かる人物はむしろ、友達なんて居なさそうだが。
親友との少しの会話があり、いつも通り学校に着いてしまった。
特になにもなく、上履きを履き、教室に向かう。
少しの挨拶をクラスの人と交わし、それ以降会話をせずに俺は席に着いた。
そして、授業が始まり、各々クラスの人は違う行動をしていた。
携帯をいじるもの、寝る者、そして、居ない人もいる。
もちろん、俺は携帯で小説を読みつつ、ノートをとっていた。
窓際の一番端の後ろともなれば、大体何をしていてもノートをとっているように見せれば許されるものだった。
そのまま、学校は進んでいき、いつも通り学校は終わった。
俺はまた学校を出て、家へと向かう。
今回は話し掛けてくる人物などいなかった。
そして、家までそこまで時間も掛からずに到着した。
「ただいまー」
「おかえりお兄ちゃん!」
俺のことを妹は待っていたのか、俺が帰ってきた瞬間的に飛びついてきた。
それをいつも通り躱し、俺は部屋へと向かう。
向かう最中に振り向き、妹を見たが、顔をふくらませて不貞腐れている妹はなんとも言えないブサイクさだった。
「はぁ……ほんとに異世界行けないかなぁ……デスゲームでも良いんだけど……」
この時の俺は、ひたすらに小説を読み漁り、異世界やらの妄想をしていた。
だから、デスゲームに行った後の妹のことや、唯一の友達の事など考えてすらいなかった。
それでも問題はない。
なんてたって、異世界やデスゲームなんてこの世に存在しないし、俺が行けるはずなんてない。
だから、考える必要すらないのだ。
「……デスゲーム……か」
ゲームが好きな俺にはデスゲームというのも少しの憧れがあった。
もちろん、チートなどがなければつまらないかもしれないが、俺の妄想はいつも強い自分だ。だから、デスゲームという世界にも行ってみたかった。
「お兄ちゃーん! ご飯だってー!」
妹の呼ぶ声がした。
俺はまたいつも通りの時間帯に夜ご飯を食べて、入浴をして、眠りにつく。
そして、朝が来て夜が来て、高校に行って、卒業する。
また朝が来て、とてつもなく暑い夏が来る。
この時の俺は、まだこのいつも通りの日常が壊れるなんて思ってもいなく、ましてや、まさか自分の行きたいと願っていた世界に行けるだなんて思いもしていなかった。