26話 意識の世界
今回短いですすいません……
疲れ果てた俺は、数十分経ち、ようやく目が覚めた。
「あれ……ここは……」
目が覚めたのはいいのだが、周りの状況がおかしかった。
まず、第一に、近くにいたはずのシズクと少年がいない。
そして、周りが暗くてよく分からなかったが、目が少し慣れ、確認した所、ここはどうやら俺の日本にある家、そして、見覚えのあるこの家具の配置はどうやら、俺の部屋らしかった。
「……妹は!?」
少し考えた末、自分の家ということもあり、妹の存在、家族の存在を確認しようとした。
部屋の扉に近づき、扉を開けようとする。
「あれ、開かねぇ……」
多少強引にぶち破ろうとしても、一切開かなかった。
どんなに力を込めても、扉はびくともしない。
これじゃあ、家族の存在を確認することすらできなかった。
一旦扉から離れ、今度は窓から出る作戦にした。
カーテンのかかっている窓に近付き、カーテンを開ける。
そこには、まるで日本とは思えない光景が広がっていた。
「真っ暗……?」
絵の具の黒で塗りつぶされたような空が広がり、太陽は黒。
そして、案の定窓も開かなかった。
「部屋に閉じ込められたのかよ……」
ベッドに座り、状況を俺は状況を確認する事にした。
まず、俺はヒマワリがシズクに放った魔法をシズクから庇い、受けて倒れた。
そして、今、目覚めた俺は自分の部屋にいる。
意識もあり、視界も良好、喋ることだって出来る。
ただし、部屋から外はもしかしたら、ゲームの世界の可能性もある。
「ふむ……ここは、日本とゲームの境? いや、俺の意識の境目とかか……?」
疑問に思えば思うほど、考えることは多くなっていた。
次第には、妹の名前を俺は思い出そうとしていた。
何故かは分からないが、妹の顔や名前が思い浮かばなかったのだ。
妹がいて、毎日起こしに来てくれたのは覚えていた。
でも、それだけしか覚えていないのだ。
『……ちゃん……』
何処からか声が聞こえた気がした。
幻聴と言われればそれまでだが、この声は、ここから脱出するために必要なのかもしれない。
『お兄ちゃん……早く帰ってきて……』
この声の主が誰かは分からないが、この声を聞く度に、妹の事だけを思い出していた。
俺が突然、居なくなった? いや、倒れているのか? それは分からないが、妹は俺という存在がいない世界で悲しまずに生きていけてるのだろうか……
「ごめんな……すぐ、日本に戻るから……」
『うん。待ってるね……』
俺の声に反応するかのように謎の声も聞こえた。
この声の主は妹なのかもしれない。
ならば、俺は早く日本に帰って安心させなければならない。
俺が早く日本に戻ることを決意した時、俺の意識は崩れかけ、俺の部屋は崩れていった。
そして、意識は落ち、崩れゆく視界の中で、最後に見えたのは、本当の俺の部屋。
俺のベッドの横にいた悲しげな表情の妹だった。
PVやらによっては明日も更新しちゃうかも?




