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URLから始まるデスゲーム!  作者: ねぎとろ
2章 願っていたもう一度

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20話 次の目指す場所

 宿屋を出た俺たちを待ち受けていたのは、悪意に満ちた顔をしている人でもなく、これから俺たちに対してなにかをしようとしている人達ではなかった。

 ただ単純に俺のこと、いや、どちらかと言えば、シズクの事を待っている人達だった。


「お、あれが噂のプレイヤーの中でも屈指の可愛さをもつ美女か!!」


 集まっている人々の内の一人がシズクを指さして大声で叫んだ。

 そして、シズクが注目されている中、俺はどうすることも出来なかった。


「なんであんな美女にあんな男が付いてるんだ?」


 誰かが疑問を口に出していた。

 確かにそれは俺自身も思う。俺の顔は良く言って普通。悪く言えばブサイクな方だろう。目つきは鋭いし、口調は悪い。性格だって良いとは言えない。

 それに比べて、シズクは可愛い。性格や、目つきの鋭さ、口調なんて関係なくなるほど可愛い。

 初めて俺がシズクと会った時にも密かに可愛いと思ってしまう程だった。もちろん、顔にも出さないようにしていたが。


「あーもう!!! 昨日と全然私の対応が違うじゃない!!! ほんとイラつく! エンマ! 早く行くわよ!!」


 俺が何も出来ない中、シズクは変な噂に踊ろされている人々を見てイラついているようだった。


「ほらっ! ボサッとしないの!!」


 俺の手を引き、無理やり集まっている人々の間をすり抜けていく。

 幸いにも、誰も俺たちに触れようとしたりはしなかった。

 昨日の俺の決闘を見たからなのかは分からないが、まぁ何もなければそれで良いのだろう。


「はぁぁ……有名人ってあんな感じなんだなぁ……」


 宿屋から随分と離れた路地裏。人すらも居ない中で、俺はため息をつきながら呟く。


「そうね。まさか私も一晩でここまで変わるとは思わなかったわ……」


 少し身震いしているシズク。もしかしたら、あそこまで人が集まっていて、視線が集まるのは怖かったのかもしれない。


「ま、とにかく少し休むか」


「そうね……」


 宿屋で休んだ筈なのに、すぐ疲れてしまった俺達は少しばかりの休息を路地裏で取ることにした。


 ――――――――――――――――――


「ねぇエンマ。街から出ましょう。この街だと、もう人がウザイ……街から出れば大丈夫だと思うし……」


 注目されるのが相当嫌なのか、シズクは俺に対して街を今すぐ出るという提案をしてきた。


「あぁ。街を出るのは良いが……もう噂がほかの街にも広まっているかもしれんぞ。その場合はどうする?」


「それはもうしょうがないわ。とにかく、今はこの街から離れましょう。1ヶ月もすれば噂は収まるだろうし」


 シズクの提案に賛成し、俺は座っている態勢から立ち上がった。

 先に俺が路地裏から出て、周りを確認した。

 幸いにも、昼時だからか、人はあまり歩いていなかった。


「よし、シズク行くぞ」


「えぇ。ありがとう」


 こそこそと歩き、俺とシズクは街から出た。何事もなく、街から出ることが出来たのは幸運なのだろう。


「それで、エンマはこの先どうする予定なの? 昨日運営が言ってたエデンの塔に行く?」


 昨日は上手く話せなかったこれからの予定をシズクが聞いてきた。


「あー。そうだな。5層がどれくらいの強さなのか知りたいし、とりあえず行ってみるか。シズクはそれでもいいのか?」


「もちろんよ。私は強くなりたいし、5層の強さが分かれば、効率のいいレベル上げが思いつくかもしれないし」


「んじゃ、決定だな。とりあえずはエデンの塔に向かうってことで」


「待って。そういえば昨日、フレンド限定でさらに追加された機能知ってる?」


 俺が歩きだそうとした時に、シズクが俺の手を引き引き止めた。

 だが、俺は昨日のエデンの塔以外は知らないし、フレンド限定で使える機能なんて知る由もない。


「それは、知らないなぁ。どんな機能なんだ?」


「んー、じゃあ、メニューからフレンドってとこ開いて、その後に、ステータス公開ってのを押して私に公開して欲しいの。もちろん、私も公開するわ。パーティーとなった以上、ステータスは知っておきたいし」


 正直言って、ステータスを見せるのは少し抵抗がある。

 だが、シズクとはこれから先もパーティーを組むのだろう。それならば、確かに戦略を考える分、お互いにステータスは知っておいた方がいい。


「んじゃ、お前に公開するから。出来ればほかの人に言わないでいただけると嬉しい」


「言うわけないじゃない。味方のステータスを言うとは裏切りよ?」


「その言葉信用しとくわ」


 そして、俺はシズクからステータス画面を公開され、代わりに俺はシズクにステータスを公開した。


『ステータス』


  名前:ヒイラギエンマ

 レベル:36

  所持金:6470マニー


 HP:374

 MP:96

 スタミナ:108

 STR:74

 VIT:87

 DEX:56

 AGI:80

 INT:60

 LUCK:40

 CHARM:0


 武器:黒曜石の剣

 頭:

 胴:黒羊のコート

 腕:魔法のガントレット

 腰:黒のズボン

 足:魔法のロングブーツ


  アクセサリー:


   スキル: 【火魔法Lv.1】【氷魔法Lv.4】【雷魔法Lv.2】【風魔法Lv.3】【剣技Lv.3】【鑑定Lv.6】【感知ガード】【サウザントスラッシュ】

 

  称号 : 【四属性を使いし者】【固有スキル持ち】


 能力振り分けポイント:15


  使用可能スキルポイント:130


 取得可能スキル:【闇魔法】【光魔法】【ソードインパクト】【エレメンタルスラッシュ】【気配察知】


 ――――――――――――


『ステータス』


  名前:サクラシズク

 レベル:32

  所持金:104580マニー


 HP:165

 MP:684

 スタミナ:100

 STR:32

 VIT:56

 DEX:74

 AGI:80

 INT:324

 LUCK:15

 CHARM:163


 武器:高位魔術師の杖

 頭:

 胴:漆黒のローブ

 腕:ルビーの手袋

 腰:

 足:魔術師のロングブーツ


  アクセサリー:サファイヤのリング


   スキル: 【即詠】【魅了】【雷魔法Lv.8】【剣技Lv.2】


  称号: 四属性を使いし者


 能力振り分けポイント:0


  使用可能スキルポイント:620


 取得可能スキル:【闇魔法】【光魔法】【火魔法】【風魔法】【氷魔法】【無詠唱】


 ―――――――――


 ざっと見ても、シズクは強かった。まず、俺とステータスの振り方が違う。俺は悪く言えば器用貧乏だ。その点、シズクは魔法特化。これはステータスを見れば簡単にわかることだろう。


「エンマ、スキルポイント全然ないね」


 俺もさっき自分で見たが、どうやら俺の覚えたサウザントスラッシュはスキルポイント300も使うらしかった。そりゃ、無くなるわけだわ。


「まぁな。スキル覚えたしな。それよりも、お前はなんでほかの魔法取らないんだ? スキルポイント余ってるし……」


「そうね。まずは雷をマスターするのよ。その後は、火。そして氷。徐々にマスターするのが私なのよ。ま、分からないだろうけどね」


「へぇー。ま、いいんじゃないか? 見た感じ、お前は雷だけでも強そうだし、魅了のスキルはちょっと強すぎる感はあるがな」


 魅了のスキルは俺も初めて見るが、大体効果は予想がつく。モンスター限定なのかは分からないが、これはうまく使えば強すぎる可能性がある訳だ。


「ま、とにかくステータスはお互い見たし、エデンの塔に向かうか!」


「そうね。ちょっとエンマとレベル差があったのは気に食わないけど、しょうがないから一緒に向かってあげるわ」


 実は鑑定で元々俺よりレベルが下ってことを知ってたなんて言えない。

 こんな事言ったら、セクハラとか、色々言われそうだしなぁ。ま、黙ってればいいか。


「ほら、何止まってんの? あんたが行くって言ったんだから行くわよ」


「あ、そういや、もしエデンの塔に向かって時にダンジョンとかあったら寄ってくか? レベル上げとかの

 為に……」


「もちろんよ。むしろ、私の目的はそっちね。アイテムも回収できて、レベル上げが出来るダンジョンは最高ですもの」


「そうかそうか。んじゃ、出発しよう」


 こうして、俺とシズクはようやくステータスを交換し、本当のパーティーとなった。

 そして、俺達は街からエデンの塔へと向かうことになったのだった。

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