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突然ばかりの物語

次の日の朝。


6時14分、目が覚めた。

勢いよく布団から起き上がると、みんなが残念そうにこちらを見ていた。


「・・・ごめん。この時間じゃ散歩できないね。」


どうしよう。という本気で困った顔で言っても、笑うことも悲しむことも、みんなが考えていることは分からない。


教科書などが入ったリュックを背負い、家から出る。


「ディティーレ本部っていうの、南市の中央駅あたりだ。」


駆け足で、考え事をしながらバスに乗る。


《東市駅行き。々 このバスは、永家経由の~》


放送を聞き流して、一番後ろの左端に座る。

その間に、小銭の確認をする。


「足りるかな。こっから駅に行って電車のって、往復、、足りるか。」


小銭を左手に乗せて、右手で分けて計算をする。ギリギリというくらいでホッと安心する。


数分のうちに駅に到着し、電車に乗り換えて南駅へと向かう。


*************************************


南駅に到着した後に、歩いて数分。


オレンジ色のテラスハウスに着いた。

横に5つで、各部屋には2階に直接行ける階段もついていた。


ディティーレ本部とやらは、105のはずなのだが、両端にいっても105という札はついていなかった。そこで2階に上がってみると、ドタドタと騒ぎ音が聞こえた。

それは端の部屋で、そこか。と半信半疑でインターホンを押した途端に勢いよくドアが開いた。


「あれ?お客さん!?」


金髪と目立つ頭だが先日の人とは違い、青いバンダナを付けていて、目の色が水色だった。明らかに外人なのだが日本語がペラペラ。


「油断禁物だぁ!!」


部屋の奥から聞こえた言葉に、金髪の人は素早く反応した。


「ちょい、待て!お客だっつの!」


パリンとガラスの割れる音。きずけばキラキラと、ガラスの破片が床に転がっていて、

「お客なんかどーでもいーー!」


「うわっ、ごめん!伏せて!」


金髪の人が俺を押し倒して、俺はしりもちついた後には塀に背中をぶつける。

「いっ」と苦痛に小さな悲鳴を上げるも、かぶさるように俺の上にいる金髪には聞こえないようで。その瞬間にも割れる音は頭上で響く。

そしてパラパラと破片が落ちてくるのが分かった。


「キノ!お客さんは第一優先だ!」


「知らねーよー!」


覆いかぶさっていた人が避けると一気に視界が明るくなる。

金髪の人の髪は左の方が一部長く、オレンジ色っぽく変色していた。


完全などっかの人種だ。


そう思った途端に聞こえた一言。


「何やってんだよ。」


低く低温な怒りのこもった声の正体は、昨日であった女の人。


「げ、リト、、」


青ざめる金髪の外人。


「おーい!何してんだよぉ、」


そんなことに気付かず部屋から出てくる少女。


「おい、キノ。今日で何枚皿割った?」


「ひっ、な、、なんでリトがいんの?そのまま学校行くって言ってたじゃん。」


彼女もまた顔を青ざめる。


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