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同じ物語

世界って、三つの種類に分けられるんだと思う。

一つ目は、

いつも生活している、残酷で汚くて、矛盾がたくさんの現実と書いたリアル。

二つ目は、

たまにしか出会えない、しっかり決まっていて、矛盾なく、綺麗で、それでもどこか不安定な、非現実と書いた夢。

三つ目は、出会うことが出来ないかもしれない。出会わないことが出来ないかもしれない。綺麗で汚くて、矛盾もないかもしれなくてあるかもしれない。一番不安定で、一番謎が多くて、一番不思議な、異現実と書いたありえないこと。


俺らはきっと、そんな中で暮らしているんだと思う。


もしも今、目の前にコブラがいたとする。すごくテンパってる俺がいたとする。

そして、これは夢だ!と目を背ける。

例え、コブラが頭に噛みついてこようとしてる中でも、目を瞑って、夢だ!夢だ!

と唱え続けるんだと思う。


例え、それがホントの現実でも。

*************************************


「それがホントの夢だとしても、」


ふと、目を開ける。その先にあるのは見慣れた天井。

体を起こしてあたりを見回しては、頭に傷がないかを確認。


「あ、違った。あれは夢だ。別に痛くなかったし、ぶつけてはいないはず。」


ハッと我に返るように気が付いた後、夢のことを思い出す。


「なんで、夢の俺はあんなにおびえてるんだろう。」


そんな呟きをして、部屋をでる。


「蛇だよ。コブラだよ。会いたかった動物ランキング一位じゃん」


ブツブツと唱えつつ、床に散乱した服から何からを見つめて、ため息をつく。そして、隣の部屋に目が行く。

そこには、とても大事なものがある。唯一の癒しだ。

の、その前に。汚い床で転ばぬように慎重に歩いてキッチンへ。

食卓の上には、食パン。


「このパン、、期限昨日じゃん。」


パンの期限は確実に今日の日付ではない。


「まぁ、火を通せば大丈夫か。」


そして、フライパンを火で温めて、パンを入れる。

軽く火が通ったのを確認したら、暑いパンを持って癒しの部屋へ。


「おはよう。今日は食パンだけど我慢ね。」


猫と犬と、インコとトカゲ。

飼っているのだ。ちゃんとした餌は買えないから、食べても問題ないものあげている。

「オハヨう!オハヨう!クウ!」


インコのアオグは返してくれる。


「アオグ!偉いぞ!名前を覚えてきたな!」


しっかりと褒める。頭をなでれば、「アオグ!エライ!」と繰り返す。


「オァウォォオオオ」


猫のジャンプはやっぱり猫語。語尾を伸ばしながらも口を頑張って動かす。


「うん。ジャンプも返してくれた!偉いよ!」


あごの下をくすぐれば、ゴロゴロと喉をならす。

犬のダッシュは、無いつも無反応。

トカゲのノボルは、尻尾をパタパタさせる。


「よし、ノボルのあいさつはそれだもんね!」


今日も同じ日々なんだ。




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