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意味が掴めない物語
強い風が窓を叩く台風。
キラキラと瞬く稲妻に、手拍子のような音を立てる雨。
一つの、五階建てのマンションの一室で、少年は泣いていた。
「なんで、、!ごめん、!ごめんね、、、!」
嗚咽交じりに、謝罪の言葉を紡ぐ。遮るように瞬く光と共に大きな音。地を這う者たちを轟かせる地響きに、少年は弱々しく日悲鳴を上げる。頬に伝う雫が落ちる先には、冷たい゛ナニカ゛が転がっていた。
少年は、それを抱き上げては、繰り返し言葉を紡ぐ。
「ごめんね、、!もう、、誰でもいいから、、俺を、、、______」
大きな音と地響きで、言葉は遮られる。
少年の、泣き言もかき消されてしまった。