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彼女を軸に語る世界

さようなら、愛しい人

作者: 九尾

とうとうやってしまいました

あとがきに裏設定と人物紹介置いてます


多分これがないとコメディ要素が伝わらない・・・(笑)



「・・・帰る・・・!」



後ろから友人の声が追いかけてくるけれど私は脇目もふらずに走りだした。


泣きながら走る・・・なんて、そんな資格も私にはないのかもしれない。

私には不釣り合いな彼。

かっこ良くて優しくて。名前の通り王子様な人。


付き合えてるってだけで、満足しなきゃいけなかったのに。

それ以上を望んだりなんかしちゃいけなかったのに。

・・・いつの間にか欲張っちゃったんだなぁ、私。

彼が女の子に囲まれて笑顔でいるのをみてショックを受ける・・・だなんて。


袋に入った飲み物と飴が更に私を虚しくさせる気がした。

余計な気をきかせようとしたから。

私みたいなグズでノロマな人間が、彼の為にとか自己満足で動いたからきっとこんなことになったんだ。


しゃがみこんで膝を抱える。

これが悪いんだと手に持っていた袋を腹立ちまぎれに投げてみるけど、気が晴れないのは悪いのが自分だと分かっているから。

こんな苦しい思いをするくらいなら、好きになんてならなきゃよかった。

遠くから見つめられてるだけで良かったのに。


慌ただしい足音がして私を呼ぶ声が聞こえる。

顔を上げる気力もなくて、ただ、まだ名前を呼んでくれるんだな。というどうでもいい感情が胸にこみ上げた。

彼の大事なときに私は傍にいれなかったのに。



「・・・・・ティア!やっと見つけた!」



優しい声が彼しか呼ばない愛称で私を呼ぶ。

荒い息。魔法を使った後だからきっと疲れてるのね。


オージ。あぁ、オージ。

でも、私には貴方に返事をする資格なんてないの。

ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。



「泣いてるの?ティア、君は悪くない。

僕のためだったんだろう?

分かってる。ちゃんとわかってるから。

僕こそ、ごめんよ。君を一人にするべきじゃなかったんだ」



優しく諭すような声。

伸びてきた暖かな手が私の頭をサラリと撫でる。


ポロポロと溢れる涙が押し付けた袖に吸い込まれていく。

そんなことない。彼は全然悪くない。



「・・・たし・・かが・・・」



「え?」



嗚咽に混じって呟きが漏れた。

くぐもった声が彼には聞こえなかったのか彼は私の頭を撫でながらティア?ティア?と何回も名前を呼んでいる。



オージ、オージ、オージ。

大好きなの。

愛してるの。

でも、私なんかが、貴方の隣にいて言い訳がない。


だからもう、さよならするわ。


オージ、愛してる。

今までも


きっとこれからも。








〜人物紹介〜

☆ティア

フェスティシア・フォン・シュバルツ

温厚なシュバルト伯爵家の四人兄妹の末っ娘

両親、兄妹に愛されて育った子

箱入り娘状態な為、とてつもなく天然で鈍感

少し思い込みが激しいところがある

超絶方向音痴に育った

性格は貴族らしからぬ家族に囲まれて育ったため温厚、気は効くのだがたまにあらぬ方向にずれていたりする

本気で超ド級の方向音痴

どこでも必ず迷子になるが基本、周りに誰かしらがいる為本人は無自覚


☆オージ

リオージェ・ヴィ・ジェスコトア

ティアに一目惚れして猛アタックの後、見事婚約者という立ち位置に辿り着いた本物のジェスコトア国の第二王子様

物腰柔らかで笑顔を絶やさないテンプレイケメン王子様だけど、表向きだけ

人当たりがいいように見えて心の中では文句言ってたりする案外普通の子

ティア一筋で特別で唯一

賢く、察しが良い為ティアの勘違いやら思い込み、突っ走りに的確に対応できる(から婚約者として認められたとかなんとか)




☆今回の短編のちょっと細かい設定


魔法の大会にオージが出場

ティアは応援兼観戦

オージ、風邪で体調が悪く喉が痛い

気を利かせようとしたティアが近くまで飲み物とのど飴を買いに走る

迷子になり戻れないままオージ優勝で大会終了

何とか戻ったティアの目の前でティアに気づかず祝福する女の子たちに笑顔で応えるオージ

ティア、ショック!←だいたいココ


みたいな話でした

ちなみにティアは帰るつもりで友達に背を向けて走りだしましたが方向音痴な為、出口とは全く違うところでしゃがみこんで泣いてました

オージは出口に辿り着けるとは思ってはいなかったので会場内をしっかり探してティアを見つけることに成功しました(笑)

探すのが大変だったことでしょうwwwwwwww



しかしいろいろとすっ飛ばし過ぎた感があります

気が向いたり要望がありましたら(ないと思うけど)そのうちオージ視点とかいろいろと投下するかもしれないです

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