第九十四話
「で、結果報告だが……参加者は一般と実力者を合わせてなかなかに良い感じだな。報酬が確か……一般には米や野菜に貴重品である海産物と果物に金銭、実力者には茶や果物に金銭と望む物一つと。望む物ってのがかなり大きく反響を得た様だな」
「えぇ。制限は有るけれど、それでも手に入るのだからね。ねぇ悠哉、貴方なら何が欲しい?」
「そうだな……そう言われてもすぐには出てこないなぁ。藍なら油揚げだろうし橙ならマタタビ辺りだろ? でも俺だと……ん〜」
「その辺で止めておけ悠哉。先ずは勝たないと意味がないのだからな、虚しくなるぞ? ……油揚げか、スキマにいっぱい欲しいものだ」
「藍? 言ってる事が矛盾してるわよ……それからスキマにいっぱいって流石に無理よ。一体どれほど入ると思っているのよ……食べ切れずに腐らせるのがオチね」
まぁ報酬云々はさておき。雪は強過ぎず弱過ぎずの良い加減で降り積もり、参加人数も良好。後は切り札についてや参加者の人数のバラつきへの配慮等を見直しながら推敲すれば、開催は目前だ
一応、パチュリーに連絡を取り当日は天候の方を曇りにする様に協力を依頼してある。レミリア達が参加するのだ、当然快晴では都合が悪い。雪を投げ合う前に灰と化して試合にならないからな
それからボランティアによる温かい飲み物や食べ物の支給。これも、人里の上白沢慧音に当日手伝ってくれそうな人達を探してもらっている。なんでも慧音の友人が手を貸してくれるのだとか……
ともあれ、この様に計画は順調に進んでいる。順調過ぎて幾分怖いが、何事も無くが一番だし余計なフラグを建てる必要も無いので割愛
「そう言えば…具体的な日時って決まってたっけ?」
「いいえ、まだよ。もう少し詰めなきゃ、中途半端ではいけないもの。新聞にもそう記載してあるし、都合も有るだろうから出来るだけ早目に決めるつもりだけど」
「そのためにも、切り札云々人数云々を早く決めなきゃな……手を借りるってのが一番簡単だが、そのせいで戦力のバランスが崩れちゃ意味無いし。難しいな」
「いっそのこと、お互いのチームに人数を足して戦力差を埋めるというのもアリね。そうすれば、強いのを当てがっても問題なさそうだし」
「ん、そうだな。まぁウチは俺と紫と藍の三人で問題なさそうだけど。切り札については?」
「スキマを使って上や横から雪玉を一定数もしくは一定時間落とすとか、時間制限付き雪人形を何体か作り出して戦力に当てはめるとか。ちょっとの間結界で防御とか被弾回数を一〜二ほど回復するとかも考えてるわ」
「雪玉を増産するのを手助けする、というのも良いかもしれませんね。結局の所、雪玉が無ければ話になりませんからね。相手の雪玉を幾つか盗ってしまう、とか」
「色々と案が出るなぁ。全部採用出来そうだし、もしするなら効果の範囲や影響の調節だけで済みそうだな。なぁんだ、これならすぐにでも開催と行けそうだな」
──その日は夜遅くまで効果の程について三人で話し合い、なんとか一つの案として纏め上げることが出来た。もう一度見直して問題が無ければ、このまま通過しそうなので案外早く開催出来そうだな……




