表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方幻想記  作者: 弾奏結界
第八章──開幕! 幻想雪合戦!──
86/197

第八十六話

唖然とする俺達に気を良くしたのか、伊吹萃香と名乗る鬼は腰の瓢箪をくいっとあおる。やはり酒が入っているようで、プーンと酒の匂いが広がる


「それにしてもあの(・・)紫に旦那が出来たとはねぇ……てっきりハッタリかと疑っちゃったよ! 悪いね紫」


「いいのよ萃香、気にしてないもの。……ほら悠哉、いつまで惚けてるの? 初対面なんだから挨拶なさい」


「…………っと、そうだな。えぇっと初めまして、紫に世話になってる数藤悠哉だ。悠哉と呼んでくれ」


「ふーん……ま、あたしのことは伊吹でも萃香でも好きに呼んでくれて構わないよ。ところで……あんたは嘘を吐くことはあるのかい?」


「嘘? あぁ……吐いたことなら有る。と言っても、今の所は無いがな」


「……紫の旦那だって聞かされてたからもっと黒いヤツかと思ってたけど、案外普通だねぇ。気に入ったよ!」


「そりゃどーも……さっきから旦那旦那って言ってるけど、まだそこまで行った覚えないぞ」


「……紫? こりゃどういう事だい? まさか……」


「だ、旦那様よ私の正真正銘間違いなく! ね、悠哉!?」


……焦ってるなぁ。余程鬼って怖いのか、はたまた別のナニカが怖いのか。と、今まで黙っていた橙が口を開き一言


「えっと、幽々子様から見ても悠哉様は旦那様になるのでしょうか?」


──ピシリ、と空気にヒビが入る音がはっきりと聞こえた。そこへ、鬱憤を晴らすように悪い笑みを浮かべた藍が口を開く


「そう言えばそうでしたね。なにせ悠哉は、お二方の(・・・・)旦那様ですからね」


紫の顔から血の気が物凄い勢いで引いていく。額には脂汗をかき、口はわなわな震え目はしどろもどろである。対する萃香は無表情で紫をジッと見据えていた


「紫? ちょーっとだけお互いの認識に差が有るみたいだねぇ……向こうの部屋でゆっくりじっくり改めて(・・・)聞かせてもらおうか?」


引きずられていく紫を小さく手を振って見送る。完全に見えなくなったところで藍を見ると、達成感に満ち溢れた晴れ晴れとした表情を浮かべていた


「……お前、鬼だな」


「失礼な、私は狐だぞ?」


──紫の悲鳴を聞きながら、未だよく分かっていない様子の橙を連れ庭に避難。紫、頑張れよ……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ