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東方幻想記  作者: 弾奏結界
第六章──紅い館で素敵なパーティーを──
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第五十七話

時間というのは早く流れるモノで、気がつけばもう二週間が経過しようとしていた。あの日以来──幽々子に気持ちを打ち明けられてから、頭をよぎるのは彼女への返答ばかりだ


正直に言えば嬉しいし直ぐにでも……だがソレはつまり、同じ様に想ってくれているであろう紫の気持ちを捨てる事になる。そんな簡単に捨てられる程軽く考えてはいないし、だからと言って本人から直接言われていない以上推測の域を出ない話だから確証も持てない


あれから紫とは普通に会話を交わして普段通りの生活を送っている。そちらの方面の話には全く至っていないからおいそれとは聞けないし、幽々子の勘違いという線も有る


その辺りの判断が未だ出来ていないため、どれ程時間が経過しても悩み続けているのだ。せめて紫から一言でも有れば……なんて他人任せな策を考えてみたり


「──い! 聞いているのか! おい悠哉!」


ハッとして周りを見る。目の前に、如何にも不機嫌そうな表情の藍が立っていた。ぶっ叩かれるのも嫌なので、取り敢えず……


「ん、一応。で、なんだっけ?」


頭を思いっきり尻尾でぶっ叩かれた。もふもふとした感触を感じる間も無く痛みが上から下へ奔る。思わずしゃがみ込み頭を抑えていると、ため息と共に藍が喋り出す


「全く……もう一度言うから今度はちゃんと聞くように。前に紅魔館へ行っただろう? レミリア・スカーレットから私達宛てに招待状が届いてな。何でも簡単な弾幕ごっこをしてパーティーを開くんだとか……それで良ければ来ないかと。紫様と私は了承済みで後はお前だけなんだが、どうする?」


「……どうせついてかなきゃいけないんだろ? 行くよ行く、持ってく物は……後でいいか。よくよく考えたら霊撃符も簡易スキマ符も妖夢に切り刻まれてから補充してないし、ついでに頼んでおくか」


痛む頭に顔をしかめながら紫が居るらしい居間へ。ちゃぶ台に符を並べて点検中の紫を発見したので話しかける


「紫、今大丈夫か? 符の補充と紅魔館のパーティーで聞きたいんだけど……」


「──ふぅ。えぇ構わないわ、それで先ずは……符はどれくらい必要なの? 妖夢に全部やられた筈だから、手持ちは零なんでしょう?」


「あぁ。だから霊撃符と簡易スキマ符を各々五枚ずつ、それからスペルカードの素も頼めるか? スペルカードは無事だったんだけど、素は符と一緒に……な」


「災難ね……ちょっと待って、先にスペルカードの素以外を渡しておくわね。それで、パーティーは参加するでいいのかしら?」


「おう。でもさ、今まで着てた学生服はボロボロでもう着られないし今着てるのは紫がスキマで外からパクったヤツだろ? 正装なんて無いぜ?」


「パクったって貴方ねぇ……たまたまサイズが無かったから拝借・・したのよ。だから例に漏れず、今回の正装も拝借・・するだけ。ちゃんと返すから何も問題ではないわ」


……やられた側に少しだけ謝罪の気持ちを抱き、直ぐに切り替える。うん、紫に狙われたのが運の尽きだ。仕方ない仕方ない


何処か釈然としないながらも準備は進み、パーティーが予定されている日まで少しだが悩みを忘れられそうだ……

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