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東方幻想記  作者: 弾奏結界
第五章──亡霊達の住まう土地で──
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第五十一話

何故半霊が俺の側に……? 混乱する俺を再度叩く半霊。その光景に、或る言葉を思い出す。ソレは初めて俺と幽々子達が八雲邸で会ったあの時──


──半霊はね、妖夢にとって半人半霊の幽霊の部分なの。そしてその部分は、本体の本心に行動を左右されるの。つまり──


「半霊、お前が俺を叩いたって事は……妖夢は本当は……」


──誰かに止めてもらいたくて、わざと幽々子の前で辻斬りの気が再発したみたいに見せかけて。完全に止めてほしかったから……


「……何をブツブツと? 貴方が出来るのはぁ、私に大人しく斬り刻まれる事だけですよぉ!」


「……もういい。お前の本心が止めてほしいのなら──例えどんな手を使っても止めてやる」


傍らの半霊を見る。半霊も小さく頷き返すのを確認し、レミリアから貰ったブレスレットを付ける。痛みが薄れていく中、視線を妖夢に固定。半霊が拾ってきてくれた竹刀を持ち、軽く素振りをする


「──さぁ、来いよ。絶対に俺が止めてやる」


大上段に振りかぶる妖夢の懐目掛けてクナイ型の弾を複数ぶつけると同時に竹刀を斜めに構えて振り下ろされる一撃を冷静に受け流す


呼吸も構えも乱れた妖夢の一撃は読み易く、俺でも構えさえとっていれば容易く受け流せる程度にまで落ちてしまっていた。間に合わないと感じる一撃には半霊が妖夢本体や俺へ体当たりを繰り出すことで回避


「なんで……なんでなんでなんでなんでぇ! なんで当たらないのぉ!? さっきまで当たっていたのにぃ……なんで急に当たらなくなったのぉ!?」


「前にお前言ってたよな……私が刀を振るうのは幽々子様のためだって。今のお前は……一体誰のためにその竹刀を振るっているんだ?」


「それは……それは、私自身のためぇ! それ以外になんてないぃ!」


「だからだよ。お前の一撃が当たらなくて、俺の弾と拙い剣撃が当たるその差はな」


──一瞬、妖夢に出来た隙を突いて竹刀を斬り上げる。妖夢の手から竹刀が離れ、無防備になった所を半霊が渾身の体当たりを敢行し……やや間が有って妖夢が崩れ落ちる


半霊という助けがあってだが、ようやく終わった……一息吐く俺の横で半霊が静かに佇む。その先には本体である妖夢が地面に伏して気絶している


一体半霊が何を思うのか……俺にはよく分からなかったが、それでも心地良く吹き込む風に良い方向へと向かっていってくれるのではないか──そう思えて仕方がなかった

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