第四十四話
最早手慣れた確認作業を終え、幽々子と紫の待つ玄関先へ。スキマで送ってくれるかと思いきや見える景色は普通の草原、どうやら其処から先は自力で行けということか……
「藍は結界の点検作業で出かけているけど、気をつけて行ってらっしゃい。くれぐれも粗相のない様にして修行と目的を果たしてきなさいな」
「あいよ。それじゃあ幽々子、案内よろしくな」
「えぇ、任せて頂戴な〜。じゃ紫、しばらくの間悠哉を借りていくわね〜。ちゃんと生きたまま返すから、安心して待っててね〜」
「……やっぱり不安ね。また後で時間をみつけて見に行くわ」
紫に見送られ草原へ。肌を打つ風の心地よさに目を細めながら、閉じ行くスキマを眺める。手を振る紫に手を振り返し、辺りを見回す。一面360度草しかないこの場所に居続ける必要も無いのでさっさと白玉楼へと向かうことにした俺は、幽々子の案内の元空へと飛び立った……
──悠哉と幽々子を見送ってしばし……戻ってきた藍に現状報告をさせると、現在幻想郷一帯に紅い霧が発生しているみたい
「それで、霊夢は動いているの? 博麗の巫女として異変解決は義務である筈だけど」
「はい、つい今し方。それから……異変解決の模倣者として例の魔法使いも同行している様です。まぁあの二人の力量なら恐らく大丈夫かと……それよりも紫様、悠哉達を送った草原への霧の遮断は間に合ったのですか?」
「大丈夫、悠哉は気づいていなかったわ。幽々子は……気づいていたかもしれないけれど、あの分なら黙っていてくれる筈でしょうし気にする必要は無いわ」
まさかあの吸血鬼が異変を起こすなんてねぇ……まぁスペルカードルールをさらに半公式的に広めてくれるのだからあまり手出しはしないでいてあげましょうか。万が一にも無いと思うけれど、霊夢が負けた場合は……
「藍、念のため何時でも出られる準備をしておきなさい。まぁ徒労に終わるだろうけれど、何事も準備は大切だから」
「……御意。直ぐに支度をして参ります」
──悠哉……くれぐれも気をつけて。この気持ちをしっかりと見定める前に、貴方に死なれては困るのだから
だからどうか……幽々子の元でより強くなった上で、無事に帰ってきて……
悠哉君の修行と同時進行で起こる紅魔異変
さて、公式主人公の霊夢は異変を止められるのか!?
そして悠哉は無事に帰って来られるのか!?
──頑張ります、殆どは悠哉君視点ですが……




