第三十四話
ちょっとした日常です
「……ふあぁ、よ〜く寝たぁ。さて、と……」
八雲邸で気持ちの良い朝を迎えた俺は、布団をたたみながら今日一日の予定を考える。朝食の準備に掃除洗濯、昼食の準備をして弾幕ごっこの特訓と飛行訓練を合わせその後夕食の準備、そしてお風呂を沸かして就寝……とこんな感じが一日のサイクルとしてほぼ確定している
後は、何か予定が向こうからやってこない限りは変化はないだろう。そう思いつつたたみ終えた布団を片付けて軽くストレッチをして台所へ
「あ、おはよう藍。何か手伝うぞ?」
「む、おはよう悠哉。それじゃあ……そうだ、お椀とお皿を取って先に居間の方へと運んでおいてくれ。終わったらまた来てくれよ」
了解と返して棚からお皿とお椀を取り出す。誰が誰のか分かるように色で区別をしているので、間違う事は少ない。で、居間へと歩いていく途中今度は紫と出会う
寝起きだったらしく寝癖がついていたり欠伸を噛み殺し損ねたり……まぁ要するに、何時ものカリスマなぞ何処かに吹き飛ぶ様である。正直……見てて笑ってしまう風貌だ
「……おはよう悠哉、もう朝食出来たのかしら? 今から色々直さなきゃいけないから少し時間かかるけど……待っててね? 先に食べたりしないでよ!」
言うが早いかスキマも使わず猛ダッシュで廊下を走り抜け──あ、角でコケた。痛そうだなアレ……しかも打ったの腰か、ありゃ痛いな絶対
フラフラしながら向こうへ消えていく紫を見送り、居間に向かって再び歩き出す。ちゃぶ台に何時も座る順番にお椀とお皿を並べていき、台所へと戻る
「? 遅かったな悠哉、何かあったのか?」
「あぁ、紫にさっき会ってな……廊下走ってコケて、腰を打ってフラフラしてたのを見てたら遅れたんだよ」
「そうか……って紫様が起きていた!? 早過ぎる……まだ寝ておられる時間なのに、もう起きているなんて……」
確かに今は俺か藍が起こしに行かなければ寝ている時間ではあるが、だからと言ってそこまで驚く事なのだろうか……
「っておい藍!? 焦げてる焦げてる! 早く火から退けろ、それに味噌汁沸騰してる!」
「な、なに!? 悠哉は味噌汁の方を頼む! あぁマズイ、紫様にでも知られたら大変だ……!」
その後二人がかりで必死に取り繕い──無事に紫にバレる事なく朝食の席に着けた
うん、こんな平和な出だしもいいね
こういう方が書きやすいし、何より書いててほのぼのする〜




