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東方幻想記  作者: 弾奏結界
第十四章──幻想郷を巡り巡った先で──
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第百九十六話

妹紅と別れてさてここからどうするか……うーむうーむと唸りながら取り敢えず歩き出すことにした。ゆっくりと流れる雲を見つめながら次の行き先を考えていると、不意に背中から強い風が通り過ぎた


咄嗟のことだったがなんとか踏ん張って、風が弱まるのを待つことしばし……ようやく振り返ってみれば、やはりと言うか文がふわりと降り立つところだった


しかも、傍らにはもう一人。確か……そう、犬走椛だったか彼女も連れているようだ。お山の哨戒やら何やらで忙しい筈の彼女を引き連れているとは、一体自分に何用だと言うのか?


「あやややや、やっと見つけましたよ……相変わらず動き始めたら行動範囲が広くて、探すのが大変なお方ですね。椛が居なければもっと速く辿り着けたんですが、まぁそれは置いときましょう」


「ホント一言多いですよね文様は……ですが無事に発見出来たので良しと致します。道中で色々と発見(・・)が有りましたし、ねぇ文様?」


「くっ……この犬コロは……」


……開口一番でじゃれ合う二人は、仲が良いのか悪いのか。ともかく割って入って落ち着かせ、改めて話を聞くことにした


二人から伝えられた話、内容は妖怪の山に屋敷を構える自称仙人様が俺を呼んでいるというものだった。名前は茨木(いばらき)華扇(かせん)だと教えてもらったが、全くもって聞き覚えが無かった。それどころか会ったこともない筈だ


二人にはそう話したものの、呼ばれているというのなら会いに行かなければならないだろう。幸いこれからの行き先も決まっていなかった身、まさに渡りに船だ


で、早速案内を頼んだところ今度はどちらが案内役でどちらが報告役か、押し付け合いが始まった。もう手が付けられないのでしばらく静観していると、口では決着がつかなかったらしく──指を立てあって何か決めた後弾幕ごっこを始めた


「……こりゃしばらく待ちぼうけだな。どっちが勝っても良いんだが、それは言わないお約束ってか」


高速で飛び回り四方八方から弾幕を叩き込む文に対し、動きはそこまで速くないもののしっかりと弾幕を捌ききって堅実に弾幕で反撃する椛。そのうちに熱が入ってきたのか二人とも牙を剥き出して獰猛な笑みを浮かべ、肉弾戦も織り交ぜながらどんどん加速していく


周辺に流れ弾が飛んできたのでさっさと避難して安全な場所でそのまま観戦することにした。熱の入りっぷりからしてはたして勝つのはどちらか、それとも夕暮れ時までもつれ込んで決着つかず……まさかね?

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